【過失割合】あおり運転(煽り運転)をしてきた車との事故

2023年5月時点の内容です。

「あおり運転(煽り運転)」による死亡事故は、大きな社会問題として取上げられています。

実際にあおり運転をしてきた車と接触してしまった場合の過失割合が気になる方も、多いと思います。

あおり運転をしてきた車との交通事故の過失割合について、例を挙げて解説します。

あおり運転(煽り運転)をしてきた車との事故

【ご注意!】

ここで紹介する過失割合は、あくまでも一般的な基本の割合です。事故や事故当時の状況によって過失割合は異なります。あくまでもご参考とお考えください。

【事例】片側一車線の道路における、あおり運転を起因とした追突事故

片側一車線の一般道にて法定速度を守って直進していた車が、後続車両に車間距離を詰める形であおられ、その後、後続車両に追突されてしまいました。前を走っていた車はあおられても速度を変えること無く、急ブレーキなどもかけていませんでした。

片側一車線の道路における、あおり運転を起因とした追突事故

【過失割合】

A(追突された車):B(追突した後続車)=0:100

【解説】

追突事故の場合、基本的に追突された車には過失がなく、追突した後続車の前方不注視や車間距離不保持などの一方的な過失によるものと考えられます。この事例では、法定速度を守り、後続車に対して急ブレーキをかけるなどをしなかったにもかかわらず追突されたものですので、A(追突された車)の過失は発生しないという考え方になります。

ただし、ドライバーは危険を防止するためやむを得ない場合を除き、急停止をさせる、または急ブレーキをかけてはならないとされています(道路交通法第24条)。

もしA(追突された車)に、追突される前に危険を防止する以外の理由の急ブレーキ等があったと認められた場合には、A(追突された車)に過失が発生する可能性もあります。

あおり運転をされた場合の一番の対処方法は、相手にせず道を譲ること

あおり運転を起因とした交通事故の報道が増えており、あおり運転に対して恐怖を感じる方も多くいらっしゃると思います。あおり運転をされた場合の一番の対処方法は、相手にせず道を譲ることです。

いきなり追突されてしまったという場合には回避をすること自体難しいかもしれませんが、あおられたことに反応して急ブレーキをかけることは、事故を誘発する危険性があるだけなく、もとはあおり運転をされている被害者にもかかわらず、過失が発生する可能性も出てきてしまいます。

また、速度を上げて逃げることも非常に危険で事故につながる可能性がありますので、決してやってはいけません。

なお、 あおり運転をしかけてくるドライバーに対しては、ドライブレコーダーの設置は効果的であるといわれています。『あおり運転を記録している』という意思表示が抑制効果となるほか、実際の事故発生の際にはドライブレコーダーの映像が有力な証拠となることもあります。あおり運転にあわないか不安な方は、ドライブレコーダーの設置を検討してみてもよいかもしれません。