初めての自動車保険はどう選ぶ?
基本の補償や加入手続きの流れと必要なものをFPが解説

自動車保険の補償内容を確認するイメージ(保険証券を虫眼鏡で確認する人物と車、盾のイラスト)

※この記事は、一般的な自動車保険商品について説明しております。ソニー損保の自動車保険の詳細はこちらからご確認ください。

この記事で分かること

  • 自賠責保険では対物事故や自分のケガは補償されないため、任意保険が必要となる
  • 基本の補償は対人・対物賠償、人身傷害保険、車両保険の4つ
  • 初めての契約は6等級スタートで、年齢条件や運転者範囲などで保険料が変わる
  • インターネット割引やセカンドカー割引で保険料を抑えられる
  • 手続きには車検証・免許証・保険証券(他社からの乗換えの場合)が必要で、補償開始日は納車日に合わせる

初めて車を購入するとき、自動車保険(任意保険)への加入は欠かせない準備のひとつです。自賠責保険(強制保険)だけでは補償される範囲が限られているため、万が一の事故に備えるには任意保険で補償を上乗せする必要があります。とはいえ、「補償内容が多くてどれを選べばいいかわからない」「保険料はどのくらいかかるのか」と迷う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、初めて自動車保険に加入する人に向けて、基本の補償や保険料の仕組み、契約手続きの流れと必要なものをわかりやすく解説します。保険会社選びのポイントや保険料を抑える方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.自動車保険(任意保険)が必要な理由

車を所有する際に加入が義務付けられている自賠責保険は、補償の範囲や金額に限りがあります。なぜ任意保険である自動車保険が必要とされるのか、その理由を確認しておきましょう。

1-1.自賠責保険で補償されないものがある

車を所有する場合、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)に加入することが法律で義務付けられています。自賠責保険は交通事故の被害者救済を目的とした保険ですが、補償の対象は「他人の身体への損害(人身事故)」のみに限られており、車やガードレールなど「モノ」を破損してしまった物損事故や、運転者本人のケガは対象外です。こうした自賠責保険ではカバーしきれないリスクに備えるために、自動車保険(任意保険)への加入が必要になります。

1-2.賠償額のリスクに備える必要がある

自賠責保険には支払限度額も定められています。被害者1名あたりの上限は、傷害(ケガ)による損害が120万円、死亡による損害が3,000万円、後遺障害による損害が75万〜4,000万円です(後遺障害等級による)。

しかし、交通事故の賠償額は数千万円から数億円に及ぶケースもあり、自賠責保険の限度額だけでは到底足りない場合があります。自賠責保険の限度額を超えた分は、加害者自身が負担しなければなりません。自動車保険(任意保険)に加入しておけば、対人賠償・対物賠償ともに「無制限」で設定できるため、高額な賠償リスクにも対応できます。

金額によっては、個人の貯蓄だけで賄うのは現実的ではない場合もあり、人生を左右しかねない経済的リスクに備えるためにも、任意保険への加入は欠かせません。

2.基本の補償を知っておこう

自動車保険(任意保険)の補償はいくつかの種類で構成されています。ここでは、基本となる4つの補償内容を確認しましょう。

2-1.対人賠償保険

対人賠償保険は、契約車両の事故で他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負った場合に、相手方に対する治療費や慰謝料などを補償する保険です。自賠責保険の限度額を超える分をカバーする役割を持っています。

対人賠償の賠償金額は、事故の状況によっては数億円規模になるケースもあり、上限を設定することは難しいため、保険金額は「無制限」に設定するのが一般的です。仮に金額を制限しても保険料の差は数百円程度です。なお、対人賠償では自分の父母・配偶者・子にケガをさせた場合は補償の対象外となります。家族にケガをさせた場合は、後述の「人身傷害保険」の補償対象となります。

2-2.対物賠償保険

対物賠償保険は、事故により相手の車や壁、電柱、ガードレールなど他人の財物を壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償される保険です。

相手の車が高級車であれば修理費だけで高額になるほか、店舗に衝突して営業できなくなった場合の休業損害が発生するケースもあります。賠償額が想定以上に膨らむリスクがあるため、対物賠償も「無制限」での設定が推奨されています。

なお、対物賠償保険は、他人のモノが補償の対象となるため、自宅の車庫などにぶつけた場合の修理代などは補償されません。

2-3.人身傷害保険

人身傷害保険は、契約車両に乗車中の人(自分や同乗者)が事故で死傷した場合に、過失割合に関係なく、治療費や休業損害などの人傷損害額基準により算定した損害額を補償する保険です。相手方との示談交渉を待たずに保険金が支払われるため、事故後の生活への影響を最小限に抑えられる点が特徴といえるでしょう。

また、歩行中や自転車乗車中などでの自動車事故も補償の対象にできるタイプを用意している保険会社もあります。補償の範囲や名称は保険会社によって異なるため、契約時によく確認しましょう。

2-4.車両保険

車両保険は、契約車両が事故や自然災害などで損害を受けた場合や、いたずら・盗難の被害に遭った場合などに修理費やお車の買替え費用を補償する保険です。安心感が高い分、保険料はやや高めになります。

車両保険には補償範囲の広いタイプと、補償が限定されるタイプがあり、その名称は保険会社により異なります。たとえば補償範囲が広いタイプが「一般型」や「一般条件」、限定されるタイプが「エコノミー型」や「車対車+A」などと呼ばれ、商品によっては、補償内容を細かくカスタマイズできるものもあります。

車のローンが残っている場合は、全損事故で廃車になると車がないのにローンの支払いだけが残るリスクがあるため、車両保険への加入を検討しましょう。運転に慣れていない人や新車を購入した人も、補償範囲の広いタイプが安心です。

一方、年式の古い車は車の時価(補償の上限額)が低くなるため、支払う保険料と受取れる保険金のバランスを考えて車両保険を外すという選択肢もあります。なお、補償が広いタイプは限定タイプと比べて保険料が高くなる点には注意が必要です。

3.初めての保険料は車種や年齢条件で大きく変わる

自動車保険(任意保険)の保険料は一律ではなく、契約条件によって金額が異なります。初めての契約で知っておきたい、保険料が決まる仕組みを確認しましょう。

3-1.保険料を左右する変動要素がある

自動車保険(任意保険)の保険料は、さまざまな要素をもとに算出されます。主な変動要素としては、車の型式(車種)、記名被保険者の年齢、運転者の年齢条件、運転者の範囲、等級、免許証の色、年間走行距離などが挙げられます。

保険会社ごとに保険料を算出する要素は異なりますが、たとえば、同じ年齢でも「軽自動車」と「スポーツカー」では保険料が倍以上異なる場合があります。また、年間走行距離が3,000kmの人と10,000kmの人でもリスクの評価が変わり、保険料に差が出ることがあります。年齢についても、1歳違うだけでリスク区分が変わる場合があるため、「誰が」「どの車で」「どれくらい乗るか」によって保険料は契約ごとに異なるのが特徴です。

3-2.全員6等級からスタートになる

自動車保険(任意保険)には「ノンフリート等級制度」があり、共済以外の保険会社では1等級〜20等級の20段階に区分されています。等級ごとに割引率・割増率が異なり、等級が高いほど保険料は割安になる仕組みです。

初めて自動車保険(任意保険)を契約する場合は、年齢や車種に関わらず原則として6等級からのスタートです。1年間無事故であれば翌年は1等級上がるため、長く無事故運転を続けるほど保険料は下がっていきます。一方、事故を起こして保険を使うと、等級が下がり保険料が上がることになります。

初めての場合、原則として6等級スタートは避けられず、年齢条件によっては割増となる場合もありますが、補償内容の組み立て方など条件設定の工夫次第で保険料を抑えることは可能です。次の章で、保険料を抑える条件設定の方法を紹介します。

ソニー損保より補足説明

自動車保険の保険料は、契約条件によって人それぞれ異なります。まずはご自身に合う補償内容をじっくり見つけていくことが、上手な保険選びの第一歩になります。

4.保険料を抑える条件設定のポイント

自動車保険(任意保険)の保険料は、補償内容や契約条件の工夫によって抑えることが可能です。ここでは、初めて契約する人でも活用しやすい節約のポイントを見ていきましょう。

4-1.運転者の範囲と年齢条件を適切に設定する

自動車保険(任意保険)では、運転する人の範囲(本人のみ、夫婦のみ、家族限定、限定なしなど)と、年齢条件(全年齢補償、21歳以上補償、26歳以上補償、30歳以上補償など)を設定できます。運転する人が限られている場合は範囲を絞り込み、年齢条件も実態に合わせて設定することで、保険料を抑えることが可能です。

ただし、年齢条件を満たさない人が運転して事故を起こした場合は基本的に補償されないため、設定の際は実際に運転する人全員の年齢を確認しておきましょう。

また、年齢条件で設定される区分は上記の例のほか、1歳刻みで設定できる自動車保険(任意保険)も存在するなど、保険会社によって異なります。

4-2.セカンドカー割引を確認する

同居の家族がすでに自動車保険(任意保険)に加入していると、2台目以降のお車に初めて保険を契約する際に「セカンドカー割引(複数所有新規割引)」が適用される場合があります。

通常は6等級からのスタートですが、この割引が適用されると7等級からスタートでき、その分保険料が安くなります。1台目のお車が別の保険会社であっても、条件を満たせば適用されます。

4-3.車両保険の免責金額(自己負担)を活用する

車両保険の免責金額とは、車両保険を使う際に自分で負担する金額のことです。たとえば、免責金額を5万円に設定すると、修理代のうち5万円は自己負担になりますが、その分毎月の保険料は安くなります。

免責金額を高く設定するほど保険料は安くなるため、小さな傷は自費で直し、高額な修理が必要なときだけ保険を使うというのも、節約のためにできることの一つです。

4-4.走行距離が短いなら走行距離区分のある保険会社を選ぶ

保険会社によっては、年間の走行距離に応じて保険料が変わる仕組みを採用しています。たとえば、年間の予想走行距離に応じて「3,000km以下」から「無制限」まで複数の区分を設けている保険会社もあります。

走行距離区分が短いほど保険料は割安になるため、「週末しか乗らない」「年間5,000km以下」といった人は、走行距離区分のある保険会社を選ぶと保険料を抑えやすくなります。

4-5.インターネット割引や早期契約割引を活用する

主にダイレクト型の保険会社では、インターネット経由での新規契約の申込みや早めの契約手続きで割引が適用される場合があります。割引の内容や金額は保険会社によって異なるため、複数の会社を比較して確認するとよいでしょう。

さらに、保険証券の郵送を省く場合の割引を組み合わせることで、より割引を受けることも可能です。

なお、電話での申込みではインターネット割引は適用されないため、保険料を抑えたい場合はウェブサイトからの手続きを検討しましょう。

5.初めての自動車保険(任意保険)はどこで契約するべき?

自動車保険(任意保険)の契約先には、大きく分けて代理店型とダイレクト型(通販型)の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った契約方法を選びましょう。

5-1.代理店型とダイレクト型の違い

自動車保険(任意保険)の契約方法には、「代理店型」と「ダイレクト型(通販型)」の2つがあります。代理店型は保険代理店を通じて契約する方法で、担当者と対面で相談しながら補償内容を決められるのが特徴です。

一方、ダイレクト型はインターネットや電話で保険会社と直接やりとりして契約する方法で、代理店を介さない分保険料が抑えられる傾向にあります。

5-2.ダイレクト型を選ぶ人が増えている理由

ダイレクト型の自動車保険(任意保険)は、代理店の中間コストが抑えられるため保険料が割安になりやすく、近年利用が広がっています。ウェブサイト上で24時間いつでも見積りや申込みが可能で、「スマホで手続きを完結させたい」「コスパよく必要な補償を選びたい」といったニーズに合っています。こうした利便性の高さが、利用拡大の一因になっていると考えられます。自分のペースで補償内容を比較・検討できる点も魅力のひとつといえるでしょう。

また、ダイレクト型だからといって事故対応の品質が劣るわけではありません。多くの保険会社が事故受付を24時間365日体制で行っており、ロードサービスも全国の幅広いサービス拠点で対応しています。警備会社と提携した事故現場への駆けつけサービスを用意している保険会社もあります。

6.自動車保険(任意保険)の加入手続きの流れと必要なもの

自動車保険(任意保険)の加入手続きは、必要な書類をあらかじめ準備しておけばスムーズに進められます。申込みのタイミングや用意するものを事前に確認しておきましょう。

6-1.申込みのタイミング

初めて車を購入する場合、自動車保険(任意保険)の手続きは納車日までに完了させておくのが理想的です。ギリギリになると納車日に補償が間に合わない可能性もあるため、納車日が決まったら早めに手続きを進めましょう。

ダイレクト型なら最短翌日から補償を開始できる場合も多いので、手続きが遅れてしまった場合でも諦めずに確認してみてください。

6-2.手続きに必要な情報と確認に使用する書類

自動車保険(任意保険)の加入手続きには、以下の書類・情報が必要です。

  • 車検証(自動車検査証):車の型式やナンバー、初度登録年月などの確認に使用
  • 運転免許証:記名被保険者(主に運転される人)の免許証の色(ゴールド・ブルーなど)の確認に使用
  • お車の現在の走行距離計の数値:ダイレクト型など走行距離の申告が必要な保険会社で使用

新車を購入して初めて自動車保険(任意保険)に加入する場合は、ディーラーから受取る車検証の情報をもとに手続きを進めます。車検証がまだ手元にない場合は、ディーラーにコピーをもらうか、型式や初度登録年月などの情報を聞いておけば、先に見積りを取ることが可能です。

6-3.補償開始日は「納車日」に設定する

自動車保険(任意保険)の補償開始日は、車を受取る「納車日」に合わせて設定しましょう。納車日に設定しておけば、ディーラーから車を受取って帰る道中から補償が適用されます。

納車日より前に設定すると保険料の無駄が発生する可能性がある一方、納車日よりも後に設定してしまうと、納車後に補償がない状態で運転することになり、万が一の事故に備えられません。納車日が確定したら、その日を補償開始日として契約手続きを進めましょう。

7.自動車保険(任意保険)が初めてでも安心!自分に合うプランでカーライフを始めよう

初めて自動車保険(任意保険)に加入する際は、自賠責保険だけでは備えきれないリスクを理解したうえで、対人賠償・対物賠償・人身傷害保険・車両保険という基本の補償をしっかり押さえることが大切です。

保険料は年齢条件や運転者の範囲、走行距離区分などの設定によって変わるため、自分の利用実態に合った条件を選びましょう。インターネット割引やセカンドカー割引といった各種割引を活用すれば、保険料の負担を軽減できます。