運転免許証の再交付要件の緩和と運転経歴証明書の交付対象拡大

2023年5月時点の内容です。

2019年12月1日に施行された「改正道路交通法」では、「運転免許証および運転経歴証明書の再交付・申請手続」に関する改正がありました。これまでの申請手続から大きく緩和・拡大された改正内容について紹介します。

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運転免許証の記載事項に変更があった場合の手続き

現在の運転免許証の有効期限は最長5年ですが、その期間内に本籍や現住所が変わった場合や結婚・離婚などで姓が変更となった場合は、速やかに変更届を出して変更に係る事項の記載を受けなければなりません。届出を行わなかった場合には2万円以下の罰金、または科料に処せられることがあります。

住所や氏名に変更があった場合、これまでは住所地を管轄する警察署や運転免許センターなどで運転免許証の「記載事項変更手続」を行うことしかできませんでした。記載事項変更手続では無料で届出が行えるものの、その際は現有の免許証の裏面に新たな氏名や新住所が記載されてそのまま所持することとなり、再交付はされません。

今回の改正によって、この記載事項変更手続以外に運転免許証の「再交付」を申請することもできるようになりました。つまり、有効期限内でも記載事項が変更された新しい運転免許証に作りかえることが可能となったのです。

写真を変更したい場合などでも再交付が可能に

今回の改正では、これまで紛失や破損などの場合だけに限られていた運転免許証の再交付要件に大幅な追加があり、有効期限内でも希望すれば自由に再交付を受けられるようになりました。

再交付要件

住所や氏名の変更時はもちろん、写真が気に入らないので新しくしたいといった理由でも運転免許証を再交付してもらうことが可能となったのです。また、再交付された免許証の有効期限の末尾の元号は「令和」に修正されます。なお、2019年3月15日以降に発行された運転免許証では、西暦と元号が併記されるようになっています。交付手続が行える場所や必要な書類などについては各都道府県の警察や運転免許センターで確認しましょう。また、これまでと同様に、再交付をせずに「記載事項変更手続」を行って、後日または次回更新時に新たな運転免許証に変更することも可能です。

そして、今回の改正では、住民票、印鑑登録証明書、マイナンバーカードに旧姓(旧氏)の併記ができる制度が開始されたことに伴い、運転免許証の取得・更新・再交付の際も、旧姓が併記された住民票かマイナンバーカードを添えて申請することで、運転免許証の氏名欄(記載事項変更手続の場合は裏面)に旧姓を併記できるようになりました。

運転経歴証明書の交付申請の対象が拡大

運転免許証の再交付要件の緩和と同時に、「運転経歴証明書」についても、より申請しやすくなる改正が行われています。

運転経歴証明書交付対象

さらに、これまで運転経歴証明書は自主返納した都道府県でなければ申請できませんでしたが、今回の改正で、現住所を管轄する警察署または運転免許センターで交付可能になりました。したがって、返納後に転居などがあった場合でも、手間をかけずに手続きができます。また、運転経歴証明書は住所や氏名に変更があっても届出をする義務はありませんが、希望者は運転免許証同様に記載事項の変更や再交付ができるようになっています。


公的な写真付本人確認書類として有用な運転免許証と運転経歴証明書ですが、今回の改正によって申請や再交付がより手軽になりました。免許証の顔写真が気に入らないという人は多いようですが、運転免許証・運転経歴証明書の再交付時でもあらかじめ撮影した申請用写真を持参すればその写真を使用してもらうことができます。ただし、持参する申請用写真での交付に対応していなかったり、交付に時間がかかったりするところもあるようですので、事前にご確認ください。なお、持参した写真は窓口で確認され、適正でないと判断される場合もありますので、県警や警視庁のウェブサイトなどで申請用写真についての説明を確認されることをおすすめします。