首都高を走行する際のコツ
2023年5月時点の内容です。
首都圏のドライバーにとって、首都高速道路(以下、首都高)は非常に便利な道路ですが、「首都高を走るのは苦手なので、敬遠して使わない」という人も多いようです。首都高を上手に利用するためのポイントや走行の際の注意点を紹介します。
このコーナーでは、ドライブやカーライフに関する一般的な情報をご紹介しております。
首都高を走行する前の準備と心構え
初めて首都高を走行する際に、「ナビに任せておけば何とかなるだろう」という考えだと、ルートや出口を間違えたり、ときには怖い思いをしたりもします。まずは首都高を利用する前に予習しておきたいポイントと心構えを紹介します。
近年の首都高は、圏央道や東京外環自動車道の開通で大型車が減り、以前よりも走りやすくなっています。
ナビ頼みではなく、事前にルートを確認しておく
近年は付いていない方が珍しいほどカーナビが普及しているため、カーナビに頼りきりで“ドライブの前に走行するルートを地図で確認しておく”といったドライバーは少なくなってきています。ですが、首都高を利用するときは、あらかじめカーナビや地図などを使って走行ルートをシミュレーションしておくことが重要です。仕事などで日常的に首都高を利用している熟練ドライバーでも、普段と違う目的地へ向かう場合は、利用する路線や合流・分岐ポイントを頭の中で確認しているのです。
首都高の中でも、路肩が狭くカーブの多い「都心環状線(C1)」は、走り慣れていない人には難しい路線です。基本的に目的地が都心部でない場合は、できる限り都心環状線を使わずに「中央環状線(C2)」や「東京外環道(C3)」を利用するルートを選択しましょう。 首都高の道路網にはすべて「路線番号」と呼ばれる数字や記号が振られています。また、すべての出入口にも番号が割当てられています。覚えておく自信がない人は、メモ用紙などに合流・分岐のJCTと出口の「名前・番号」および「合流・分岐と出口の方向」を走行順に書き留めて、ダッシュボードなどに貼っておくと安心です。
まずは首都高の大まかな路線概略図と路線番号を覚えましょう
なお、首都高のルートや出入口を調べるには、首都高速道路株式会社のウェブサイト「首都高のミカタ」が便利です。
高速道路ではなく信号のない一般道と考える
最高速度が100kmの東名高速道路や東北自動車道などの「高速自動車国道」と異なり、 首都高は「自動車専用道路」です。その約8割の区間の制限速度は一般国道などと変わらない50kmまたは60kmとなっています。
首都高を走行する際は、「高速道路だからスピードを出さなければいけない」、または「高速道路は乗ってしまえば気楽に走れる」などという誤った考え方を捨てましょう。高速道路は慣れてしまえば自分のペースでリラックスして運転できる路線も多いのですが、首都高に関しては「信号のない合流や分岐が頻繁に現れる一般道」だと考えて、気を抜かずに運転する必要があります。ただし、逆に考えれば歩行者や自転車の予想外の動きや、信号による頻繁なストップ&ゴーなどがないため、むしろスムーズに走りやすい道とも言えるのです。
首都高の中でも、特に都心環状線などのカーブが怖いという人もいます。また、頻繁に現れるアンダーパスやトンネルでは、左右の壁による圧迫感を覚えたり突然の渋滞に遭遇したりすることもあります。しかし、制限速度を守って常に他車の流れを確認しながら運転するように心がけておけば、そうした事態にも落ち着いて対応できます。ちなみに、首都高の急カーブやスピードの出やすい部分には特殊な色付きの舗装が施されていることが多く、通常の路面よりも滑りにくくなっています。
雨の降った直後や車高の高いクルマなどは、控えめの速度で走りましょう。
首都高を走行する際の注意点
あらかじめルートの確認と首都高走行時の心構えをしっかりとしておけば、それだけで余裕を持って運転することができます。次に、実際に首都高を走行する際の注意点について紹介します。
常に案内標識を確認しながら運転する
運転操作ばかりに気を取られているとなかなか目に入らないものですが、首都高では誘導のための「案内標識」が大量に設置されています。一昔前までは「番号や記号だらけの標識がむしろ混乱してしまう」などという声もありましたが、近年は適切なポイントに案内標識が設置され、表示情報が判別しやすくなっているなど、非常にわかりやすいものになってきています。
首都高をほとんど走ったことがなかったり、都心部の地理に詳しくなかったりする場合は、事前に用意しておいたルートメモの番号とJCTの「分岐案内標識」に表示される番号を頼りに走行しましょう。JCTの手前でも「分岐予告案内標識」で分岐方向や地名、その先に接続する路線名と番号が必ず表示されます。たとえば都心環状線(C1)から首都高速6号向島線(6)を使って常磐道(E6)に行きたい場合は、常に「6」の表示が出ている分岐方向に進んでいけば自然に首都高速6号向島線に入って、そのまま常磐道へと進むことができます。
案内標識にはそれぞれの分岐方向に接続する路線番号が表示されています。
首都高から降りる場合も、各出口の手前の「出口予告案内標識」と直前の「出口分岐案内標識」で、出口名と出口番号、出口の方向、接続する一般道が確認できます。また、出口分岐案内標識には次の出口名と出口の方向も表示されていますので、それを目安に準備をしましょう。
分流ポイント・目的出口の少し前に車線変更を
案内標識でJCTの分岐や出口の方向を確認したら、そちら側の車線に車線変更をしましょう。渋滞などで流れが悪くなっている場合などは、かなり手前で車線変更をしておくと安心です。
一般的に片側二車線以上の道路では一番右側の車線は追越し車線で、追越しのあとは速やかに左側の走行車線に戻るように道路交通法で定められています。しかし、右からの合流や入口、右側への分岐や出口がある首都高では追越し車線は設けられておらず、左側および右側車線のどちらも走行車線になります。次の分岐や目的の出口が右方向の場合は、早めに右側車線に移動して走行しても問題ありません。制限速度で走行しているのであれば、無理に後続のクルマに気を遣って車線変更を繰りかえさずに堂々と右側車線を走りましょう。
また、先に合流があるからといって、それを避けるために頻繁に車線変更を繰りかえすような運転も控えましょう。距離が短く渋滞する区間も多い首都高では、むやみに急いでもそれほどの時間短縮にはならず、むしろ接触事故やトラブルの原因ともなりかねません。
JCTによっては三車線以上の分岐となることもあります。早目の車線変更を心がけましょう。
合流の際は先にウインカーを出しておく
交通量の多い首都高でもっとも怖いのはJCTや入口から本線への合流でしょう。首都高の場合も通常の高速道路と同様に、「合流レーンでしっかりと加速する」、「合流の際は交互に」という合流における基本的なルールは同じです。
首都高を走行しているドライバーは誰もが合流ポイントには注意しています。しっかりと合流の意思を見せているクルマに対して、事故になってもいいから阻止しようというクルマはそうそういません。できるだけ早くウインカーを出しておき、本線を走るどのクルマの後ろに入るのか目標を決めましょう。それでも不安なときは窓から手を振るなどして強く意思表示をしてみましょう。
走行している車線に合流がある場合は、合流車両のために前車と車間距離をとっておきましょう。
なお、本線が混雑している場合に、無理やり前のクルマに続いて合流しようとするドライバーを見かけることがありますが、これは非常に危険な行為です。首都高に限りませんが、「合流は1台ずつ交互に」が原則です。予想外の動きは事故につながりますので、合流の際は直前のクルマに接近しすぎないように注意して、交互にスムーズに合流しましょう。
しかし、都心環状線などは、右側車線への合流となる、合流レーンがカーブになっていて本線が確認しにくい、極端に合流レーンが短い、といった入口が多いのも実状です。自信がない場合はあらかじめ合流方向を調べておいて、左からの合流になる入口を利用するといった対策をしておくと安心です。
先にウインカーを出して合流レーンを進めば、慌てずに合流に集中することができます。
首都高をスムーズに走行できるようになるポイントは、最終的にはやはり「慣れ」とも言えます。まずは何度か首都高の走行にチャレンジして、路線網や都心部の地理をある程度覚えてしまいましょう。慣れてくれば事前に渋滞や通行止めなどの情報を確認して、さらに最適なルートを選択できるようにもなります。なお、首都高を例に挙げてポイントを解説しましたが、「名古屋高速道路」や「阪神高速道路」など、ほかの地域の都市高速道路でも基本的なポイントは同じです。上手に都市高速道路を利用して楽しいドライブに出かけましょう。
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- 同程度の道幅の交差点での事故(二輪車が左方、四輪車が右方の場合)
- 同程度の道幅の交差点での事故(四輪車が左方、二輪車が右方の場合)
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- 同程度の道幅の交差点での事故(四輪車が左方、二輪車が右方の場合
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- 交差点に青信号で進入した四輪車と、赤信号で進入した自転車の事故
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- 広い道路からの自転車と、狭い道路からの四輪車の事故
- 広い道路からの四輪車と、狭い道路からの自転車の事故
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- 四輪車が優先道路を走行している場合
- 四輪車が一方通行を逆走している場合
- 自転車が一方通行を逆走している場合
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- 二輪車が加速車線、四輪車が本線車道を走行中の事故
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