夕暮れ時の運転の注意点

2023年5月時点の内容です。

夕暮れ

秋になると徐々に日が短くなりはじめ、夏と比べると周囲が暗くなる時間がかなり早まってきます。

クルマの運転中に薄暗くなると、無意識にスピードを出しすぎてしまったり、視界が悪くなって危険の察知が遅れたりする傾向があります。実際に、警察庁の調べでも、10月〜12月の日没時刻と重なる17時台から19時台に交通事故が多く発生していることが分かっています。

警察庁〜薄暮時間帯における交通事故防止〜(警察庁ウェブサイトにリンクします)

夕暮れ時における注意点について、ドライバー側、歩行者側、それぞれの視点から解説します。

このコーナーでは、ドライブやカーライフに関する一般的な情報をご紹介しております。

夕暮れ時はなぜ事故が多い?

夕暮れ時の事故

明るい時間から暗い時間への変わり目にあたる薄暗い夕暮れ時は、辺りが急激に暗くなるため、ドライバー・歩行者ともに視認性が下がってしまい、お互いの接近に気づきにくいと言われています。

なおかつ、その時間帯は仕事や買い物を終えたドライバーの帰宅時間であり、また、子どもたちにとっては下校時間でもあるため、人も車も交通量が多く、そして1日の疲れが出て注意力が低下しやすい時間帯でもあります。

このように、薄暗い夕暮れ時は事故が起きやすい環境にあるといえます。

夕暮れ時の事故防止のポイント

ドライバーが注意したいポイント

・ヘッドライトは早めに点灯させる

薄暗い夕暮れ時は視認性が悪くなるため、他のクルマに自車の存在を知らせることが効果的です。早めにヘッドライトを点灯させると周囲のクルマに対してしっかりと自車を認識させることができますので、他の車から見落とされて事故に巻き込まれてしまうといった危険性が減ります。
また、ヘッドライトを点けることで歩行者・自転車に早く気づけるだけでなく、歩行者や自転車にクルマが近づいていることを知らせる役割も果たせるでしょう。
なお、最近は周囲が暗くなると自動的にヘッドライトが点灯する「オートライト」機能を装備したクルマが増えてきました。
オートライト機能は夜間のヘッドライトの点灯忘れには非常に効果的ですが、JAFの調べによると、車種によってオートライトの点灯タイミングが異なることが分かっています。

オートライト機能も非常に便利ですが、それに任せきりにせず、あたりが薄暗く感じたらご自身の手で積極的にヘッドライトを点灯させることを心がけましょう。特に日暮れが早くなる季節(9月〜3月)は、16時を過ぎたらヘッドライトを点灯するように意識することが大切です。

・意識的にスピードを控えめにする

視界が悪い時間帯は実際に出ているスピードよりも遅く感じやすいため、日中よりもスピードが出てしまいがちです。そのため、時々スピードメーターをチェックして、適切な速度を維持しているかを確認してください。
スピードが出ているととっさの判断が間にあわず、重大な事故につながります。夕暮れ時から夜間にかけては意識的に速度を落として、慎重な運転を心がけましょう。

歩行者や自転車利用者が注意したいポイント

・反射材等を使って自身の存在を知らせる

歩行者や自転車利用者が見えにくくなる

薄暗い夕暮れ時から夜間にかけて、目立ちにくい服装(黒いコート等)を着用するとクルマなどからは歩行者や自転車利用者が見えにくくなるため、事故に巻込まれてしまう可能性が高まります。回避をするためには自身の存在を周囲に認識させることが重要ですが、そこで効果的なのが、反射材等の活用です。
警察庁によると、反射材を付けている部分はクルマのドライバーから見ると光っているように見えるため、付けていない人よりも付けている人の方がクルマから発見してもらいやすくなるそうです。実際に、クルマのドライバーから見て「反射材を着用している歩行者」は「着用していない歩行者」よりも2倍以上手前で発見できることがわかっています。

警察庁のウェブサイトでは、自身の視認性を高める反射材やLEDライトの例や活用法を紹介していますので、参考になさってください。

警察庁 反射材・ライト〜薄暮・夜間はつけた光が命を守る〜 (警察庁ウェブサイトにリンクします)


周囲が薄暗くなり始める中で、ドライバー、歩行者、自転車利用者に共通して重要なことは「自身の存在を周囲に知らせること」であることはわかっていただけたと思います。
なお、最近では100円ショップで反射材やLEDライトが気軽に手に入るようになりました。まずは簡単にできることから・・・ということで、秋が深まって暗くなる時間が早くなる前に反射材等の利用を検討されてみてはいかがでしょうか。