車のセグメントってどういう意味?
2023年5月時点の内容です。
自動車関連のニュースや雑誌などで「セグメント」という言葉を目にされたことはありませんか?セグメントとは乗用車のクラス・区分を分類するカテゴリーの1つですが、意味や区分基準などがよくわからないという方も多いかと思います。乗用車の車両区分について紹介します
セグメントは欧州のクラスカテゴリー
「セグメント」とは「区分、部分、分割する」などといった意味を持つ英単語です。自動車業界におけるセグメントとは主に欧州で用いられているクラスカテゴリーのことで、欧州のマーケティング企業が使用している乗用車の分類基準です。分類呼称や定義などは使用する企業によって違うため明確なものはありませんが、調査会社の1つでは以下のような分類としているようです。なお、これも独自の車格判断によるもので、明確なボディサイズなどの定義はありません。
セグメント名 | 一般呼称 | サイズの目安(明確な定義はなし) |
---|---|---|
Aセグメント | スモール | 全長約3.3m〜3.6m 程度 |
Bセグメント | スーパーコンパクト | 全長約3.6m〜4.4m 程度 |
Cセグメント | ロワーミディアム | 全長約4.4m〜4.6m 程度 |
Dセグメント | アッパーミディアム | 全長約4.6m〜4.8m 程度 |
Eセグメント | エグゼクティブ | 全長約4.8m〜5m 程度 |
Fセグメント | フルサイズ | 全長約5m〜程度 |
このクラスカテゴリーによるセグメント名は基本的には欧州におけるもので、世界中でこの基準が使用されているわけではありません。同じ欧州でもイギリスなどでは別のクラス区分と呼称が使用されていますし、米国や日本でもまったく別のクラス区分や呼称がされています。ただし、各国の自動車メーカーは欧州市場のクラスカテゴリーや製品動向には大きな関心を寄せていますので、このセグメントを意識した開発や販売戦略が行われているということになるのです。
日本における車両区分
基本的にセグメントはボディサイズや車格を基準とした分類になります。しかし、クルマのクラスの分類方法には、「セダン」や「ハッチバック」、「ミニバン」といったボディ形状によるものや、「ファミーリーカー」や「スポーツカー」といった使用用途やタイプ別での区分や呼称もあります。
日本においても「コンパクトセダン」、「ラグジュアリーワゴン」、「クロカンSUV」など、メーカーや車種によってさまざまな呼称が使用されています。自分の愛車のカテゴリーを聞かれても、正確に答えられないといった人もいるのではないでしょうか。また、日本では上級クラスと認識されているクルマも、海外ではコンパクトカーに分類されているといったことも多くあります。
一般的に私たちが日本で意識している車両の区分は、やはり「軽・小型・普通」のナンバープレート表示によるものでしょう。これは道路運送車両法(道路運送車両法施行規則令)による区分で、軽自動車が「総排気量が660cc以下で、大きさが長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下」、小型自動車が「総排気量が2,000cc以下で、大きさが長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下」、普通自動車が「小型自動車、軽自動車、大型・小型特殊自動車以外の自動車」と分類されています。
3ナンバーと5ナンバーの違いは?
「軽・小型・普通」の車両区分は、軽は黄色ナンバー、小型は5ナンバー、普通は3ナンバーと覚えている人も多いと思います。軽自動車にはさまざまな優遇税制がありますが、5ナンバー車と3ナンバー車では基本的には税制面での格差はありません。(現在の小型乗用車には7ナンバーもありますが、ここでは小型乗用車を5ナンバーとして説明します。また、軽自動車でも特別仕様ナンバープレートを選択した場合は白色ナンバーとなることがあります。)
以前の日本車は圧倒的に5ナンバー枠の車種が占めており、5ナンバー車のサイズを超えて3ナンバーとなると、大幅に自動車税がアップする税制となっていました。そのため車両区分の異なる輸入車などは、小排気量の車種なのに全幅が1.7mを超えてしまうために3ナンバーとなり、高額の税金がかかってしまうといったケースがありました。そうした背景から、今でも3ナンバー車は贅沢(ぜいたく)な車、といったイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在の自動車税は、1989年の改正でボディサイズが外されてエンジンの総排気量のみで算出される仕組みとなりました。また、自動車重量税は車両重量別に課税されるもので、購入時の自動車取得税率も5ナンバーと3ナンバーはどちらも3%で差はありません。現在では高速道路や有料道路などでもほとんどの路線で小型・普通の料金差がなくなっています(両車種とも普通車扱い区分)。
用途区分 | 総排気量 | 税額 |
---|---|---|
自家用乗用車 | 1リットル以下 | 29,500円 |
1リットル超〜1.5リットル以下 | 34,500円 | |
1.5リットル超〜2.0リットル以下 | 39,500円 | |
2.0リットル超〜2.5リットル以下 | 45,000円 | |
2.5リットル超〜3.0リットル以下 | 51,000円 | |
3.0リットル超〜3.5リットル以下 | 58,000円 | |
3.5リットル超〜4.0リットル以下 | 66,500円 | |
4.0リットル超〜4.5リットル以下 | 76,500円 | |
4.5リットル超〜6.0リットル以下 | 88,000円 | |
6.0リットル超 | 111,000円 | |
自家用乗用軽自動車 | 一律 | 10,800円 |
近年では世界的にEV車の普及も加速しており、これからもクルマのカテゴリーはより一層多様化していくと考えられています。
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