縦列駐車上達のコツ

2023年5月時点の内容です。

パーキングメーターの駐車枠などで、何度も縦列駐車をやり直しているクルマを見かけます。苦手な運転操作のひとつとして多くのドライバーが挙げるのが「縦列駐車」です。
縦列駐車が上手くなるポイントについて紹介します。

縦列駐車の手順とポイント

狭い場所での車庫入れをスムーズにこなすベテランドライバーでも、なぜか縦列駐車は苦手という方も多いようです。そこで実際の縦列駐車の手順を紹介しながら、基本ポイントを確認していきましょう。なお、ここでは左側の駐車スペースへ縦列駐車する場合の手順を紹介します。

【1】前のクルマと平行に停車してから駐車スタート

1m程度の間隔をあけて前のクルマと平行に停車

まずは縦列駐車に必要なスペースがあるかどうかを確認しましょう。自分のクルマの全長の1.5倍程度の余裕がなければ、うまく駐車できません。駐車が可能と判断したら、駐車したいスペースの前に駐車しているクルマに対して1m程度の間隔をあけて平行に停車します。2台のクルマの後部の位置を合わせるのが基本ですが、感覚をつかむまでは双方のドアミラーの位置を基準にすればいいでしょう。

ポイント

縦列駐車がうまくいかない原因は、縦列駐車のスタート位置を間違えているからです。通常の車庫入れでは車線に対して斜めに前進してからバックすることが多いですが、縦列駐車では駐車枠の前方に駐車しているクルマと平行に止めてからスタートするのが原則です。

【2】ハンドルを左にいっぱいまで切ってからバックする

ハンドルを左いっぱいに切ってゆっくりバックする

スタートの位置をしっかりと合わせたら、ハンドルを左にいっぱいまで切ってからゆっくりとバックします。後ろに駐車しているクルマの全体が右のドアミラーに映ったらそこで停止しましょう。

ポイント

ここでは入れようとしている駐車枠の左後方の角と、車体の右側面のラインを直線状にそろえるようにします。感覚をつかむまでは、後ろのクルマがすべてドアミラーに映ったら停止と覚えましょう。

ドアミラー

【3】ハンドルをまっすぐに戻してバックする

ハンドルをまっすぐに戻し右後輪が駐車枠のラインを踏むまでバックする

次はタイヤがまっすぐになるようにハンドルを戻してからバックします。ゆっくり下がり、右の後輪が駐車枠の白線を踏んだ辺りで止まりましょう。セダンタイプなど後部が長いクルマは、路肩側のポールなどの障害物に接触しないように後方にも注意してください。

ポイント

縦列駐車における基本的なハンドル操作は、左右いっぱいに切るかまっすぐにするかのいずれかです。この際に自分のクルマのハンドルをどのくらい回せばまっすぐに戻るのかを覚えておくと便利です。一般的な乗用車の場合は左右ともに約2回転ですので、いっぱいの状態から2度目にハンドルの向きが正しくなったら、タイヤの向きがまっすぐな状態ということになります。

【4】ハンドルを右いっぱいに切ってバックする

ハンドルを右いっぱいに切ってゆっくりとバックする

今度は最初とは逆の右方向にハンドルをいっぱいまで切ってから、ゆっくりとバックしていきます。ここでもっともクルマがぶつかりやすいのが、自車の左前方と前のクルマの右後方です。よく確認してぶつかりそうならば、一度あきらめてスタート位置に戻りましょう。先ほどよりもやや後ろから始めればうまくいきます。逆に左の後輪が路肩に当たってしまうようならば、【3】の段階で下がり過ぎたということになります。この場合は、ハンドルを調整しながら前後にクルマを移動してやり直せばうまくいくこともあります。

ポイント

あせって一連の動きを続けて行ってしまうと、縦列駐車はうまくいきません。慣れないうちはしっかりと各ポイントで停車したままハンドルを操作し、それからゆっくりとバックするようにしましょう。

【5】駐車枠と平行になったらハンドルをまっすぐに戻す

うまくクルマが駐車枠に入ったらハンドルをまっすぐに戻し、前後の位置を微調整しましょう。なお、縦列駐車から出発する際は、できるだけ後方にバックし、ここでもハンドルを右いっぱいに切ってからスタートすれば、前方のクルマにこすってしまうようなことがありません。


いかがでしたでしょうか? 自動車教習所で何度も練習したはずの縦列駐車ですが、免許取得後に実際の公道に出てしまうとその基本を忘れてしまいがちです。近年では音声とモニター表示で駐車を補助してくれる支援システムが搭載された車種も登場していますが、この基本ポイントをしっかり覚えておくことで、より自信を持って運転できるはずです。