知らないと怖い!?矢印式信号機のある交差点
2023年5月時点の内容です。
交差点に設置されている矢印式信号機。交通量の多い都市部では頻繁に目にしますが、地方から都市部にきたドライバーや免許を取得したばかりの新米ドライバーなどにはなじみがあまりなく、矢印信号の意味がとっさに理解できず、戸惑ってしまう方も多いようです。
矢印信号が持つ意味や役割、問題点などを紹介します。
矢印信号の役割と種類
矢印信号の始まりは、現在も運用されている路面電車専用の黄色の矢印が最初で、その後、自動車用の青色矢印が導入されました。主に信号機における補助的な役割を担っていて、本信号(三色信号)が黄色や赤色の場合であっても、点灯している矢印の方向に進めることを意味しています。
※右折可の矢印の場合、2段階右折が指示されている原動機付自転車は対象外となります。
なお、ドライバーが進行方向を見誤らないため、矢印の配列と設置場所も原則として決まっています。横型信号機の場合は青信号の下に左折可、黄信号の下に直進可、赤信号の下に右折可の矢印を、縦型信号機の場合も同様の位置に設置されることになっています。
矢印のパターンは左折可、直進可、右折可の3種類が基本ですが、五差路、六差路といった複雑な交差点では、斜め方向を指した矢印信号が設置されていることもあります。
本信号の青信号が一度も点灯されずに、矢印信号の表示のみで判断しなければならない信号機もあります。
知っていましたか?右折可の矢印信号でUターンをすることができます
少し前の話をすると、2012(平成24)年4月から、警察庁は右折可とする矢印信号の点灯中に転回(Uターン)も行えるように道路交通法施行規則を改正しました。
それまでの道路交通法では、表示されている矢印信号の方向以外には進行してはならないと定められていて、右折可の矢印信号が点灯しているときにUターンを行うと信号無視となっていました。
本来、Uターンができる交差点では、本信号が青色のときにUターンを行わなければなりませんが、実際には対向車が走行してこなくなるまで交差点内で待機しなければUターンができません。このため、Uターンしようとするクルマが右折車線の停止線の手前に止まってしまい、後続の右折車がなかなか進めないため渋滞を引起こす要因の1つとなっていました。
このルール変更は、交差点におけるクルマの流れをスムーズにし、渋滞を緩和するほか、対向車のない安全な状況でUターンができるようにすることで、交通事故の抑制効果も期待したものです。
なお、転回による危険があると判断される場所では、Uターンは認められませんのでご注意ください。
2012年4月以降も、転回禁止の標識がある場所では右折可の矢印信号でもUターンできません。標識の見落としに注意しましょう。
矢印式信号機の問題点 ― 都道府県ごとに信号の動き方は違う?
本来、交通事故の抑制や渋滞を緩和させる目的から導入されている矢印式信号機ですが、設置方法や信号の点灯タイミングなどに関しては、場所によって微妙に異なっています。運用に際しては一定の指針が設けられているものの、実際は都道府県ごとにまちまちなのが現状のようです。
たとえば、右折可の矢印信号は本信号が青色から黄色へ変わったあと、赤色の点灯が開始されるのと同時に矢印を表示し、表示終了時には本信号を再度黄色に点灯したあと全赤信号(交差点内の信号機がすべて赤色になること)にする、という指針が決められています。しかしながら、交差点によっては矢印信号が消える際に本信号が黄色、赤色に切りかわらず、交差道路側がいきなり青信号になるといったケースもあるようです。これでは右折中のクルマが交差点を完全に通過する前に交差道路側のクルマが発進してしまい、最悪の場合、衝突事故を起こす危険性もあります。
また、左折可、直進可、右折可の3つの矢印信号が設置されている場合、先に点灯していた左折可と直進可の矢印信号が消灯した後に、右折可の矢印が点灯されるのが一般的ですが、すべての矢印が別々のタイミングで点灯するものや、時差式信号の代わりに設置されている交差点など、全方向への矢印がすべて同時に点灯されるといった信号機もあります。さらには、本信号のランプの中に矢印が組み込まれたものなど、設置位置や形状そのものが異なるタイプも存在しています。これでは混乱するドライバーがいたとしても当然のこと。できるだけ早い運用規格の統一が求められます。
一般的には、本信号の黄色、赤色が表示されてから右折可の矢印信号が表示されます。
近年になって、いわゆる右直事故(*)や歩行者の巻込み事故を防止するために、積極的に矢印式信号機が設置されています。隣車線のクルマの動きに惑わされることなく、しっかりと信号機の表示を確認して発進するように心がけましょう。
*右折する車両と、相対する方向から直進してくる車両との事故
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