自賠責保険証とは?
必要な理由や使うタイミング、再発行や電子化についてFPが解説

スマホ画面のグラフや書類を虫眼鏡でのぞき込む女性のイラスト

この記事は、一般的な自動車保険商品について説明しております。ソニー損保の自動車保険の詳細は「自動車保険トップページ」からご確認ください。

この記事で分かること

  • 自賠責保険証とは、自賠責保険に加入していることを証明する書類のこと
  • 証明書を携帯せずに運転した場合は30万円以下の罰金が科される
  • 紛失しても契約している保険会社の窓口で無料で再発行が可能
  • 2025年1月からOne-JIBAIによるPDFでの電子交付が始まった

車検や公道の走行に欠かせない「自賠責保険証」。2025年からは電子化が開始され、その保管や提示の方法が大きく変わりました。この記事では、自賠責保険証の基礎知識はもちろん、紛失時の再発行手順や、最新の電子化ルールについて、ドライバーが今知っておくべきポイントを整理して解説します。

1.自賠責保険証とは?

自賠責保険証とは、自賠責保険に加入していることを証明する書類です。正式名称は「自動車損害賠償責任保険証明書」といい、一般的には「自賠責保険証」「自賠責保険証明書」などと略して呼ばれています(以下、自賠責保険証)。

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき、すべての自動車(原動機付自転車や電動キックボードを含む)に加入が義務づけられている保険で、「強制保険」と呼ばれることもあります。交通事故が発生した際に被害者が最低限の補償を受けられるようにすることを目的とした制度で、対人賠償のみが補償の対象です。

自賠責保険証には、主に以下の内容が記載されています。

  • 証明書番号
  • 保険契約者の氏名・住所
  • 自動車の登録番号(ナンバープレートの番号)または車台番号
  • 保険期間(契約の開始日と満了日)
  • 保険会社名

自賠責保険証は、自動車やバイクの運転時に携帯しなければならない書類であり、車検を受ける際にも提示が求められます。紛失や汚損がないよう、車検証と併せて適切に保管しておくことが大切です。

2.自賠責保険証が必要な理由

自賠責保険証が必要とされる理由は、大きく2つあります。1つは自賠責保険への加入が法律で義務づけられていること、もう1つは加入の事実を公的に証明する手段として求められていることです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.法律で加入が義務づけられているため

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法によって、すべての自動車・バイクの保有者に加入が義務づけられている保険です。

この制度は、交通事故が発生した際に、被害者が加害者の資力に関係なく最低限の補償を受けられるようにするための仕組みとなっています。自賠責保険で補償されるのは、他人を死傷させた場合の被害者への対人賠償のみで、物損事故と運転者のケガなどは対象外です。

自賠責保険に加入せずに公道を運行した場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。さらに、交通違反として違反点数6点が加算され、即座に免許停止処分の対象にもなります。

参照:国土交通省「もしも、自賠責保険・共済に加入していないと」

2-2.加入していることを証明するため

自賠責保険に加入しているだけでなく、その事実を第三者に示すための書類として、自賠責保険証が必要になります。車検の際には、有効期間内の自賠責保険に加入していることを証明しなければなりません。

また、公道を走行するときにも証明書を備え付けておくことが法律で義務づけられています(自動車損害賠償保障法第8条)。なお後述しますが、2024年11月の法令改正により、PDFデータをスマートフォンなどに保存して携行することも、紙の証明書の備え付けと同等と認められています。

自賠責保険証を携帯せずに運転した場合、自動車損害賠償保障法に基づき、30万円以下の罰金が科されるため、運転時には必ず車内などに備え付けておきましょう。

3.自賠責保険証を使うタイミングとは?

自賠責保険証は、普段は車内に保管しておくことがほとんどですが、実際に提示や確認を求められるタイミングがあります。ここでは、代表的な2つの場面を紹介します。

3-1.車検(継続検査)を受けるとき

車検(継続検査)を受ける際には、有効な自賠責保険証を提示する必要があります。自賠責保険に加入していなければ車検を通過できない仕組みになっており、これは未加入のまま公道を走行する車両をなくすための措置でもあります。なお、車検の際は「紙」の証明書でないと認められないため注意が必要です。

車検を業者に依頼する場合は、自賠責保険の更新手続きも併せて行われるのが一般的です。一方、車の所有者が自ら運輸支局に持ち込んで検査を受ける「ユーザー車検」の場合は、更新手続きを自身で行う必要があります。忘れないよう注意しましょう。

3-2.公道を走行するとき

自動車損害賠償保障法では、自賠責保険証を備え付けずに自動車を運行してはならないと定められています。これは事故の有無に関係なく適用されるルールであり、運転中は常に証明書を備え付けておかなければなりません。

交通事故が発生した場合、事故現場で警察官から自賠責保険証の提示を求められるとは限りませんが、必要なときにすぐ取り出せるよう、車検証と一緒に助手席前の収納スペースなどに紙の証明書を保管しておくと安心でしょう。

4.自賠責保険証を紛失した場合の対処法

自賠責保険証を紛失してしまった場合でも、再発行(再交付)を受けることが可能です。証明書が手元にないまま運転すると法律違反となるため、紛失に気づいた時点で速やかに手続きを行いましょう。

再発行は、自賠責保険を契約している保険会社で行います。手続き方法は、保険会社の営業所窓口に直接出向く方法のほか、郵送やインターネット(One-JIBAI)を利用する方法があります。

必要な書類は以下のとおりです。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 印鑑(保険会社によっては不要な場合もある)
  • 車検証(車両情報の確認のため)

郵送の場合は1〜2週間程度かかるのが一般的ですが、保険会社や代理店で直接手続きを行えば、郵送よりも早く発行されることがあります。なお、再発行にかかる費用は無料です。

契約している保険会社が分からない場合は、車検を依頼した業者や車を購入した販売店に問い合わせることで確認できます。

5.自賠責保険証の電子化とは?

これまで紙での交付が前提だった自賠責保険証ですが、2025年1月から電子データでの交付が始まりました。ここでは、電子化の仕組みと、車検時や走行時の取扱いについて解説します。

5-1.PDFデータで交付される仕組みが始まっている

2024年11月の法令改正を受けて、2025年1月から業界共通の共同システム「One-JIBAI」の運用が開始されました。このシステムにより、自賠責保険証をPDF形式の電子データで受け取ることが可能になっています。

One-JIBAIでは、自賠責保険の契約手続きや内容変更をオンラインで行えるほか、保険料のクレジットカード決済も対応可能です。証明書は、紙での郵送とPDFデータでのメール送付のいずれか、または両方を選択できます。

PDF証明書は、証明書に印刷されたQRコードからOne-JIBAIの専用サイトにアクセスし、パスコードやワンタイムパスワードを入力してダウンロードする仕組みとなっています。スマートフォンやPCにデータを保存しておけば、紙の証明書を持ち歩かなくても、画面表示で証明書の提示が可能です。

5-2.車検時や走行時の取扱い

自賠責保険証は、PDFをスマートフォンなどに保存して携帯することで、紙の証明書の代わりとして利用できます。

ただし、車検時には注意が必要です。運輸支局の窓口では、現時点では紙の証明書の提示が求められるため、車検を受ける際は紙の証明書を用意しておく必要があります。なお、自賠責の契約情報が登録情報処理機関に反映されている場合は、提示が省略できるケースもあります。

また、整備工場によっても紙の証明書の提示を求められることがあるため、車検の際は紙の証明書を手元に準備しておくと安心です。

走行時にPDF証明書を利用する場合は、端末のバッテリー切れに注意しましょう。提示を求められた際にすぐ表示できるよう、複数の端末に保存しておくと安心です。

なお、PDF証明書は契約者本人がダウンロードする必要があります。家族など契約者以外が運転する場合は、それぞれの端末に保存しておかないと、備え付け義務違反となる可能性があります。

電子化の運用は今後変更される可能性もあるため、最新情報は国土交通省や日本損害保険協会のウェブサイトで確認してください。

6.自賠責保険証に関するよくある質問

自賠責保険証についてよく寄せられる質問をまとめました。原付やバイクの加入義務、名義変更の手続き、保険の期限が切れた場合の対応、保険料の決まり方など、気になるポイントを確認しておきましょう。

Q1.自賠責保険証は原付(原動機付自転車)やバイクでも必要ですか?

A.はい、原付やバイクについても自賠責保険への加入と証明書の備え付けが義務づけられています。

自動車損害賠償保障法では、原動機付自転車や電動キックボード(特定小型原動機付自転車)を含むすべての自動車に対して自賠責保険の加入を求めており、違反した場合の罰則も自動車と同様です。

排気量250cc以下のバイクや原付は車検がないため、自賠責保険の更新を忘れがちになる点に注意が必要です。ナンバープレートに貼付されたステッカー(保険標章)で有効期限を確認し、期限が切れる前に更新手続きを行いましょう。

Q2.名義を変更したい場合はどうしたらいいですか?

A.車両の売買や譲渡によって所有者が変わった場合は、名義変更手続きを行う必要があります。

名義変更の手続きは、契約している保険会社の営業所や保険代理店で行えるほか、One-JIBAIを通じたオンライン手続きにも対応している場合があります。

名義変更しなくても自賠責保険の補償自体は有効ですが、更新の通知が届かず気づかないうちに保険の期限が切れてしまうリスクがあるため、速やかに手続きを済ませておくとよいでしょう。手続きには、自賠責保険証、本人確認書類、自賠責保険承認請求書などが必要となります。

Q3.自賠責保険の期限が切れていたらどうなりますか?

A.自賠責保険の期限が切れた状態で公道を走行することは、法律で禁止されています。

保険の期限が切れたまま運行した場合は、自賠責保険の未加入と同じ扱いとなり、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、さらに違反点数6点の加算となるため、免許停止処分が科されることとなります。

万が一保険の期限が切れていることに気づいた場合は、車を運転せずに保険会社や代理店で自賠責保険の再加入手続きを行いましょう。自賠責保険に加入し直さなければ車検を受けることもできないため、早急な対応が求められます。

参照:国土交通省「自賠責保険・共済の有効期限切れに注意

Q4.自賠責保険の保険料はどのように決まりますか?

A.自賠責保険の保険料は、保険会社が自由に設定しているものではなく、車種(自家用乗用車、軽自動車、二輪車など)と保険期間によって一律に定められています。

そのため、どの保険会社や代理店、コンビニなどの窓口で契約しても保険料は同一であり、任意保険のような会社ごとの価格差はありません。これは、自賠責保険が被害者救済を目的とした公共性の高い制度であり、「ノーロス・ノープロフィットの原則」(損失も利益も出さないよう収支を調整する原則)に基づいて保険料が設定されているためです。保険料は毎年検証が行われ、必要に応じて改定されます。

7.自賠責保険証は加入を証明する重要書類

自賠責保険証は、自賠責保険への加入を証明する書類であり、車検時の提示や公道走行時の備え付けが法律で義務づけられています。不携帯のまま運転した場合は罰則の対象となるため注意が必要です。紛失した場合でも、契約している保険会社で再発行が可能です。気づいた時点で早めに手続きを行いましょう。

また、2025年1月からは「One-JIBAI」の運用開始により、証明書をPDFデータで受け取ることも可能になりました。スマートフォンでの携帯が認められるなど利便性は向上していますが、車検時には紙の証明書が求められる場合もあります。日頃から車検証と一緒に保管し、有効期限の確認を忘れないようにしましょう。

本記事は2026年4月時点の内容です。