自動車保険における車の「使用目的」とは?
保険料への影響と選ぶ基準をFPが解説
※この記事は、一般的な自動車保険商品について説明しております。ソニー損保の自動車保険の詳細はこちらからご確認ください。
自動車保険を契約するときには、車の「使用目的」を告知する必要があります。「日常・レジャー用」「通勤用」などの選択肢がありますが、さまざまな用途で車を使う人にとっては、使用目的について迷うことがあるかもしれません。このページでは使用目的の種類や正しく選ぶ方法を解説していますので、自動車保険を契約する際の参考にしてください。
車の「使用目的」とは?
自動車保険における使用目的は、「車を主にどのような目的で、どの程度の頻度で使うのか」を分類するためのものです。
使用目的を分類するのは、車の用途によって事故に遭うリスクも変わると考えられているためです。自動車保険は、事故に遭うリスクが高い人ほど保険料が高額になる仕組みなので、選択した使用目的によって保険料も変動します。
ただし、自動車保険の保険料は使用目的だけで決まるわけではありません。車の使用目的以外にも、記名被保険者(主に車を運転する人)の年齢・車の型式・年間走行距離などさまざまな要素も含めたうえで決定されます。
なお、契約者には保険料を決めるための重要な事項を保険会社へ正確に申告する義務があり、このような義務を「告知義務」と呼びます。事実と異なった申告をしてしまうと、事故が起きても保険金が支払われなくなる可能性もあるため、車の使用目的や型式などの事項は必ず正確な事実を告知するようにしましょう。
車の使用目的の種類は?
使用目的の種類は保険会社によって異なりますが、一般的には「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務」の3つに分けられています。自動車保険を契約するときには、この3つの中から1つを選択します。
保険料は、事故リスクの低い「日常・レジャー」が最も安く、事故リスクの高い「業務」が最も高く設定されていることが一般的です。「通勤・通学」は、おおむねその中間といえるでしょう。
使用目的は、契約者に義務付けられた告知事項ですから、保険料を安くする目的で、実態と異なる使用目的を告知しないよう注意する必要があります。
ソニー損保の自動車保険では、使用用途は「主に家庭用(通勤用含む)」「主に業務用」の2区分となっています。主に通学で使用している場合も「主に家庭用(通勤用含む)」に該当します。
■自動車保険の「使用目的」と保険料の関係
主な使用目的 | 日常・レジャー | 通勤・通学 | 業務 |
---|---|---|---|
事故リスク | 低い | 中間 | 高い |
保険料 | 安い | 中間 | 高い |
選択基準 | 主に普段の買い物や旅行などに使用する場合 | 主に通勤や通学に使用する場合 | 主に仕事のために使用する場合 |
車の使用目的を選ぶ基準は?
使用目的を選ぶ際は、どのような基準で選んだらよいのでしょうか。特定の目的にしか車を使わないのであれば、迷うことはないかもしれませんが、複数の用途に車を使用している人は、選択基準を押さえて適切な使用目的を選ぶ必要があります。
使用目的を選ぶときの基本は、「年間を通して、主にどの目的で車を使用するのか」です。詳しくは後述しますが、例えば日常の買い物や旅行などにのみ車を使っている場合は、使用目的は「日常・レジャー」になります。
一方で、さまざまな目的で車に乗っている場合は、「年間を通して、最も走行距離や使用頻度の高い目的」を選びます。例えば、平日は毎日会社への通勤に使い、週末は家族との買い物やレジャーに使うなどの場合は、年間の利用頻度が最も高い「通勤・通学」を選択します。
どのような基準で車の使用目的を選べばよいのか、それぞれの使用目的についてどのような使用例が該当するのかについて、いくつかの例を挙げながらご紹介します。
@「日常・レジャー」の場合
普段の買い物や、週末のドライブ旅行などに車を使用する場合に選択します。3つの区分の中では年間の使用頻度が最も少なく事故のリスクも低いと考えられるため、一般的に保険料は最も安くなります。
ちなみに、保育園の送迎に車を多く使う場合でも、使用目的は「日常・レジャー」となるケースも。保険会社にもよりますが、後述する「通勤・通学」の通学に該当するのは幼稚園・小中学校など学校教育法で定められた学校への送迎であることが多く、保育園の送迎は該当しないことが一般的です。
【日常・レジャーの例】
- ・平日は近所への買い物に、週末はレジャーに使用している
- ・普段は電車やバスで通勤し、雨の強い日のみ車で通勤している
- ・週末は買い物やレジャーに、平日は子どもの保育園送迎のために使用している
A「通勤・通学」の場合
通勤や通学のために「年間通して月に平均15日以上」車を使用する場合に選択します。「日常・レジャー」よりも使用頻度は上がるため、その分事故リスクが高くなると考えられ、保険料は「日常・レジャー」よりも高くなるのが一般的です。
なお、通勤は会社員だけではなく、パートやアルバイトで勤務先まで車を使用している人も含まれます。通勤や通学する本人が運転せず家族が最寄りの駅まで車で送迎しているケースでも、保険会社によっては「通勤・通学」に該当する場合があるため、間違えて選ばないように注意しましょう。
【通勤・通学の例】
- ・勤務先への通勤に毎日使用し、年に数回業務にも使用している
- ・週末はレジャーに使用し、平日は毎日子供の幼稚園の送迎に使用している
B「業務」の場合
業務用途として、「年間通して月に平均15日以上」使用するときに選択します。車の運転時間や走行距離は、3つの区分の中で最も多くなると考えられるため、基本的に保険料は最も高くなります。
ただし、週に1・2日程度の業務使用であれば、使用頻度が「年間通して月に平均15日以上」の基準を下回るので、「日常・レジャー」または「通勤・通学」を選択することができます。
【業務の例】
- ・自営業のため、得意先への訪問に毎日のように車を使用している
- ・毎日の通勤に使用し、なおかつ業務のためにも毎日車を使用している
- ・朝夕は子どもを幼稚園に送迎し、昼間は業務のために車を使用している
車の使用目的が変わったら保険会社への変更通知が必要
自動車保険の保険期間は最短でも1年あるため、保険期間の途中で「会社勤めをやめて起業し、車を仕事でも使うことになった」「子どもが社会人になって、家の車を通勤に使用することになった」など、ライフスタイルやライフステージの変化によって車の使用目的が変わることもあるでしょう。
保険期間の途中で車の使用目的が変わった場合には、新たな使用目的を保険会社に届け出る必要があります。ただし、「日常・レジャー」で契約していた人が、社会人になった子どもの通勤のため週に1・2回の送迎に使用するなど、「通勤・通学」の基準に該当しなければ、使用目的の変更手続は必要ありません。
一方で、「日常・レジャー」で契約後に、通勤で毎日車を使うようになった、といった場合は保険会社への連絡が必要です。もしも連絡を忘れて車に乗り続け、契約当初と異なる使用目的で事故が起きると、保険金を請求しても支払われないことや、保険契約が解除される可能性があります。
なお、新しい使用目的によっては保険料が高くなることも考えられるため、保険会社への連絡時にどれくらい保険料が変わるか確認しましょう。
車の使用目的は、使用実態と一致するよう選択を
車の使用目的は主に「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務」の3つの区分があり、どれに該当するかによって保険料が変わります。使用目的は保険料を決める重要な要素の1つで、契約者の年齢、車の型式、年間走行距離など他の要素と照らし合わせ事故リスクを判断し、リスクの度合いに応じて保険料が算出されます。
使用目的を選ぶときは、保険会社が定めた基準をよく確認し、使用実態に最も近いものを選択します。使用目的は、契約者や被保険者が保険会社へ通知する義務のある「告知事項」です。「保険料が安くなるから」と、事実と異なる使用目的を選ぶことのないようにしましょう。
また、保険期間の途中で使用目的が変わったときには、すぐに保険会社への連絡が必要です。連絡しないまま事故が起きると、保険金が支払われないことや、保険契約が解除されることもありますので、注意点として覚えておきましょう。
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- 駐車場内の通路を進行する四輪車と、駐車スペースに進入しようとする四輪車の事故
- 駐車場内で、隣の駐車車両に接触・衝突
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- 赤信号で交差点に進入した直進二輪車と青信号で進入した直進四輪車の事故
- 同程度の道幅の交差点での事故(二輪車が左方、四輪車が右方の場合)
- 同程度の道幅の交差点での事故(四輪車が左方、二輪車が右方の場合)
- 四輪車に一時停止の規制がある場合の事故
- 同程度の道幅の交差点での事故(四輪車が左方、二輪車が右方の場合
- 信号機のある交差点に、直進二輪車・右折四輪車ともに青信号で進入した場合の事故
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- 交差点に青信号で進入した自転車と、赤信号で進入した四輪車の事故
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- 広い道路からの四輪車と、狭い道路からの自転車の事故
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- 自転車側に一時停止(止まれ)の規制がある場合
- 自転車が優先道路を走行している場合
- 四輪車が優先道路を走行している場合
- 四輪車が一方通行を逆走している場合
- 自転車が一方通行を逆走している場合
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