プリウスの年間維持費はどれくらい?諸費用の概算費用を解説

プリウスの年間維持費はどれくらい?諸費用の概算費用を解説

ガソリンと電気モーター、2つの動力で走るハイブリッドカー。その先駆けとして1997年に登場したのが、プリウスです。燃費の良さから、エコカーとして人気のプリウスの年間維持費や費用を抑えるポイントについて解説します。

プリウスにかかる維持費はどれくらい?

最初に、プリウスにかかる維持費の種類から見ていきましょう。自動車は、購入時だけではなく、購入後にも、車検などの定期的に発生する費用や、故障などによる臨時的な費用がかかります。
維持費としては、主に以下のようなものが挙げられます。これらはプリウスに限らず、自動車を所有する多くの方にとって必要となる費用です。

<自動車を所有するとかかる、主な維持費>

  • ・ガソリン代
  • ・自動車税
  • ・自動車保険料(自賠責保険料、任意保険料)
  • ・車検費用
  • ・駐車場代
  • ・メンテナンス費用

どの程度かかるのかは、走行距離・使用頻度・運転の仕方などによって変わります。各費用について、以下でご説明します。

  • ※ シミュレーションは、以下のような条件で試算しています。
  • ※ こちらのページの内容は、2024年4月現在の内容です。

■プリウスの年間維持費を計算するための設定

車両 プリウス 2.0L G(初度登録年月:2023年5月)
車両型式 6AA-MXWH60-AHXGB
ガソリン代 約174.9円/L(2024/4/17時点のレギュラーガソリンの全国平均)
自動車税 排気量1.5リットル超〜2.0リットル以下
走行距離 年間10,000km
駐車場代 月極駐車場の全国平均

ガソリン代

維持費の中で、もっとも頻繁に発生するのがガソリン代です。所有者による差が出やすい費用で、地域によって販売価格が異なり、走行距離や運転の仕方などによって金額が大きく変わってきます。

プリウスはハイブリッドカーですので、同クラスのガソリン車より燃費が優れています。プリウスのカタログを見ると、燃費は28.6km/L(2.0LG/WLTCモード)です。

例えば、年間1万km走る場合、およそ年間で350Lのガソリンを消費します※1。
レギュラーガソリン1Lあたり174.9円(※2)の場合、年間のガソリン代は61,215円になります。

  1. ※1:ガソリン代の計算は、「走行距離÷カタログ燃費の数値(28.6km/L)」で計算します。
  2. ※2:経済産業省 資源エネルギー庁「令和6年4月17日時点のガソリン等の店頭現金小売価格調査の結果」より

自動車税

自動車税(正式には「自動車税種別割」)は、毎年4月1日時点で車検証に記載されている車の所有者が、居住地の都道府県に納める税金で、毎年継続して課税されます。

税額は、車種や排気量などによって変わります。排気量2.0Lのプリウスを2023年に新車で購入した場合の税額は36,000円です。

自動車保険料(自賠責保険・任意保険)

事故や自然災害などのリスクに備えた自動車保険も必要です。自動車保険には、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と任意保険があります。

自賠責保険は車を所有する人に対して法律で加入が義務付けられている保険で、「強制保険」と呼ばれることもあります。一般的には、車検の満了期間に合わせて加入します。

任意保険は文字通り任意で加入する自動車保険で、基本的に1年更新です。自賠責保険の補償は、人身事故による対人賠償(支払限度額あり)のみのため、それ以外の対物事故・自損事故・自然災害などに備えることが大切です。

保険料は、自賠責保険と任意保険で異なります。

自賠責保険

自賠責保険は車種(普通自動車・軽自動車など)や契約期間によって保険料が決まります。どの保険会社で加入しても、保険料の違いはありません。
プリウスは自家用普通乗用車になりますので、自賠責保険の保険料は2年で17,650円です。

任意保険

任意保険は補償内容・車種・使用地域・使用目的・運転者の年齢・等級など、様々な要素で保険料が決まります。保険料は、各保険会社によって異なります。

下記の条件で試算した場合の、ソニー損保の保険料は、1年間で89,140円(一回払)になります。

プリウスの見積条件

ノンフリート
等級
6E等級
事故あり係数
適用期間
0年
お車を
運転される方
の年齢条件
30歳以上
を補償
記名被保険者
の運転免許証
の色
ゴールド
予想年間
走行距離
11,000km以下

その他の見積条件詳細

保険始期日 2024年7月1日
メーカー トヨタ
車名 プリウス
型式 MXWH60
初度登録年月 2023年5月
使用目的 主に家庭用
記名被保険者の
年齢
34歳
お車を
運転される方
本人・配偶者限定
対人賠償 無制限
対物賠償 無制限
人身傷害 3,000万円
(車内のみ補償型)
搭乗者傷害 なし
車両保険金額 380万円(一般型)
車両保険
免責金額
1回目:5万円(車対車免ゼロ無)
2回目:10万円
新車買替特約 なし
事故時
レンタカー
費用特約
なし
車内身の回り品
特約
なし
弁護士特約 なし
個人賠償特約 なし
おりても特約 なし
ファミリー
バイク特約
なし
適用されている
割引
インターネット割引(-12,000円)
証券ペーパーレス割引 (-500円)
本人・配偶者限定割引(あり)
ゴールド免許割引(あり)
新車割引(あり)
ASV割引(あり)

車検費用

車検は、自動車の機能や排ガス基準など、公道を走る上での安全・環境基準を満たしているかどうかを検査する制度です。

法律で検査を受けることが義務付けられており、新車登録後、初回は3年後、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。また、車検時には法定24ヵ月点検も同時に行われます。

車検費用の内訳は、大きく「車検基本費用」と「法定費用」の2つに分けられます。

  • ・車検基本費用

    カーディーラーや車検専門店など、車検を受ける場所によって料金が異なります。
    店によっては早割などの割引等があるため、見積りをとることをお勧めします。

  • ・法定費用

    車種や重量によって金額は一律で、どこで車検を受けても基本的には変わりません。

車検専門店の場合は、洗車・車内清掃・代車手配などのサービスを省くことで経費を抑えているところもあるため、カーディーラーよりも車検費用が安くなる傾向があります。

駐車場代

自動車を所有する際は、必ず保管場所が必要になります。自宅に車庫があれば問題ありませんが、ない場合は駐車場代が必要です。駐車場を借りる費用は、地域によって5,000円から20,000円程度と幅があり、一般的に都心部の方が高い傾向です。総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)」によると、2022年の月極駐車場の全国平均額は、10,343円です。

メンテナンス費用

メンテナンスには、2年ごとの車検以外にも、法定12ヵ月点検があります。車検と違い、法律で受けることが決まっているものではありませんが、自動車を良好な状態に維持するためには必要なメンテナンス費用です。

使用期間によってエンジンオイル・オイルフィルター・ワイパーゴム・バッテリー・タイヤなどの消耗品の交換も必要です。下記に、一般的な交換サイクルを記載します。

■メンテナンスの実施・消耗品の交換サイクル

メンテナンス項目 実施・交換サイクル
法定
12ヵ月点検
1年ごと
エンジンオイル、
フィルター交換
1年ごと
フロントワイパー
ゴム交換
2年ごと
バッテリー
交換
3年ごと
タイヤ交換
(4本)
5年ごと

プリウスの維持費に関する注意点

プリウスの維持費を考えるうえで、ハイブリッドカーとしての特徴も考慮する必要があります。
エンジンに加えて電気モーターを使って走るため、バッテリーのメンテナンスについては、気になるところではないでしょうか。

ハイブリッドカーのバッテリー交換は?

ハイブリッドカーは、「駆動用」と「補機用」の2種類のバッテリーを搭載しています。

駆動用バッテリーは、モーターの動力として利用するもの。もう一方の補機用バッテリーは、ライトなどの電装品やパワーウィンドウなど多くのシステム・カーナビなどを作動させるための電源として使われるものです。

このうち、定期的に交換が必要になるのは補機用バッテリーです。自動車の使い方によって、おおむね3〜5年で交換が必要となります。プリウスの補機用バッテリーは、ガソリン車よりも大容量なので交換費用は若干高めで、一般的に5〜6万円程度です。

駆動用バッテリーについても寿命はありますが、交換時期を自分自身で知ることはできません。点検が必要になると、警告灯あるいは表示灯が点灯しますので、カーディーラーで点検を受けるようにしましょう。
駆動用バッテリーは、交換すると一般的に30〜40万円前後かかると言われています。ただし、トヨタのハイブリッドカーの駆動用バッテリーは、新車を登録した日から5年間(ただし、その期間内でも走行距離が10万kmまで)は保証がありますので、寿命は比較的長いと考えてよさそうです。

新車・中古車ともに維持費はかかる

プリウス自体の価格は新車で320万〜460万円(2023年5月時点)、中古車は年式や走行距離・自動車の状態などによって千差万別です。
しかし、新車で購入しても、中古車で購入しても、維持費が必要なことに変わりはありません。

中古車はある程度の年数、使用された自動車ですから、タイヤ・バッテリーなどの消耗部品の交換時期は新車より早くなる可能性があります。また、経年劣化などによる電装品など故障があれば交換・修理代も必要となります。

中古車なら安く済むというわけではなく、買った時の自動車の状態やその後の利用状況によって、新車よりもお金がかかるケースもあります。中古車を検討しているのであれば、こういった費用についても念頭に置きましょう。

プリウスの維持費を抑えるポイント

プリウスの維持費を抑える方法はあるのでしょうか?
ここでは、維持費を抑えるためのポイントをいくつかご紹介します。

燃費を向上させて運転する

プリウスでは、ハイブリッドカーならではの機能を利用した運転方法などにより、経済的なカーライフをおくることができます。

  • エコドライブモードを利用する

    プリウスにはいくつかの運転モードが用意されています。その中の「エコドライブモード」で運転すると、アクセルペダルの踏み込みに対して、動力の反応が緩やかになることや、エアコン(冷房・暖房)の作動が抑えられることで燃費の向上が期待でき、ガソリン代が抑えられます。

  • 減速時のブレーキは緩やかに

    止まるときには、なるべく早めに緩やかにブレーキを踏み込んでいくと、減速時に発生する電気エネルギーを多く回収することができます。電気エネルギーが増えればエンジンのアシストに利用でき、ガソリンの消費が抑えられます。

自動車保険(任意保険)を見直す

任意保険の保険料は、契約する保険会社や補償内容によって異なります。これらを見直すことで、保険料を節約できるかもしれません。

  • 補償内容を見直す

    ご自身に必要な補償を見直し、自分に合った補償にすることで、保険料を節約できる場合があります。
    例えば、乗車中あるいは車外で事故に遭遇し、死傷した場合などの補償に人身傷害があります。保険会社によっては、「契約車両に乗車中の事故のみを対象に補償するタイプ」と、「歩行中や契約車両以外に乗車中の事故も補償の対象となるタイプ」を用意しています。後者よりも前者の保険料の方が割安です。
    また、車両保険についても、補償範囲の広いタイプに加入している場合は、補償範囲を限定したタイプに変えることで保険料を節約できます。万が一の事故への備え方をふまえて検討してみましょう。

  • 運転者範囲・年齢条件を見直す

    本人限定・家族限定など、補償の対象となる運転者を限定することで保険料を節約できます。また、あわせて適切に年齢条件を設定することによって保険料を抑えることができます。
    例えば、運転する人に30歳未満の人がいないのであれば、補償範囲を「30歳以上」にすることで保険料を抑えることができます。

  • ダイレクト型の保険会社を検討する

    任意保険を契約する保険会社を選ぶ場合、保険代理店で取扱う「代理店型」と、インターネット・電話を通じて契約する「ダイレクト型」があります。

    代理店型の場合、保険会社が代理店を通じて顧客と契約のやり取りをするため、営業コストがかかります。
    一方のダイレクト型では、顧客とダイレクトにやり取りすることで営業コストが抑えられています。

    代理店型とダイレクト型比較の図

    そのため、一般的に代理店型よりもダイレクト型の方が保険料は安くなります。さらに、ダイレクト型なら24時間いつでもインターネット手続が可能で、インターネット割引が適用される場合があります。

エコカーとして人気だが、購入後の維持費を考えることも大切

プリウスは、エコカーとして毎年の販売台数も上位に位置する人気車です。とはいえ、新車で購入すれば400万円程度は必要になります。

また、当然のことですが購入後もさまざまな費用がかかります。プリウスの購入を検討しているのであれば、今回ご紹介した必要な維持費の目安を念頭に、家計に必要な自動車以外の費用も想定しながら、購入予算を決めるようにしましょう。

購入後は、ハイブリッドカーならではの特性を利用して、経済的で環境に優しい運転を意識することで、ガソリン代やメンテナンス費用を節約できます。

さらに、自動車保険(任意保険)の保険料は、契約する保険会社や補償内容によって異なります。これらを見直ことで、維持費を抑えることができるでしょう。

■主な維持費の概算費用まとめ

主な維持費 概算費用
ガソリン代 約61,215円
自動車税 36,000円
自動車
保険料
自賠責保険料 2年で17,650円
任意保険料 1年で89,140円(一回払)
車検費用 車検を受ける場所によって料金が異なる
駐車場代 地域によって5,000円〜20,000円と幅がある
メンテナンス費用 必要に応じて、費用が発生する