健康診断、腹囲の測定で何が分かる?メタボリックシンドロームとは?

健康診断では腹囲を測定することがあります。 腹囲でメタボリックシンドロームが分かるといわれていますが、そもそもメタボリックシンドロームとはなんでしょうか。 正しい理解を得て健康に活かしましょう。

1.腹囲で何が分かるの?

メタボリックシンドロームを心配する後ろ姿
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腹囲の測定は、体の中、内臓周りの脂肪量を予測できるといわれています。
内臓脂肪が多い状態、つまり内臓肥満のかたは心筋梗塞などの原因となる動脈硬化を進行させる要因になると考えられています。

この検診が始まった背景には、高度経済成長以降の日本の食生活が豊かになり欧米化が進んだことによる生活習慣病の増加があります。

通称「メタボ健診」ともいわれる特定健診。この特定健診に対しては「健康な人までメタボリックシンドロームと判定されてしまう」「基準値以下でもメタボリックシンドロームの可能性のある人が見落とされる」などといった数多くの批判が開始当初から寄せられていました。そのため厚生労働省は現行の基準を見直し、2018年から新基準を導入することを決定しています。

2.メタボリックシンドロームとは?

腹囲を測る巻き尺
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近年、メタボリックシンドロームはメタボという略称ですっかり私たちの日常に浸透しています。
しかし、メタボリックシンドロームとはそもそもどういうことなのか、は意外と知られていません。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪症候群とも呼ばれています。メタボリック(metabolic)とは「代謝」、シンドローム(syndrome)とは「症候群」を意味しています。内臓脂肪の高い状態に高血圧・高血糖・脂肪の代謝異常が加わった状態のことで、この状態が続くと心臓病・脳卒中などの動脈硬化性疾患が起きやすくなるとされています。


日々の食事や運動量の低下などにともなって、エネルギー過剰な状態が続くと、体内にそのエネルギーが徐々に脂肪として蓄積されます。特に内臓(腸間膜や肝臓など)に蓄積した脂肪は、皮下脂肪に比べて血液中に放出されやすく、動脈硬化を進行させる原因の一つであり、高血圧などの要因がかさなるとさらに心臓病や脳卒中などのリスクを増加させます。


メタボリックシンドローム状態にある人のほとんどは自覚症状がありません。自覚症状がないために動脈硬化が静かに進みます。 動脈は本来とても柔らかいものですが、血液中の糖やコレステロールの値が高くなると血液の流れが悪くなり(ドロドロになる)、血管の壁にコレステロールが張り付きます。それによって動脈の壁に柔軟性がなくなり、徐々に硬くなる状態を動脈硬化といいます。

動脈硬化が進行するとやがて脳卒中や心筋梗塞を引き起こし、そのまま命を失ったり、助かっても介護や長期間のリハビリが必要な状態になることも少なくありません。こうした特徴から、動脈硬化はしばしば「沈黙の殺人者」「サイレント・キラー」と呼ばれています。

改善するためには

メタボリックシンドロームの改善のためには、食生活を見直し、日常生活に運動を取入れることが大切です。

一日三食をきちんとバランスよく食べ、特に野菜をきっちり取入れることが重要です。毎食満腹になるまで食べるのではなく、腹八分目の手前程度で留めておきましょう。主食・副菜・主菜を一食の中できちんと取りそろえましょう。例えばラーメンを食べる場合でも野菜が多く入っているタンメンを選んだり、カレーを食べる場合にもサラダを付け加えたりするのが効果的です。

それに加えて、ジョギングやウォーキングなどの適度な運動を積極的に日常生活に取入れましょう。エレベーターを利用せずに階段を利用するなど、日常生活の何気ない場面でも運動は取入れることができます。運動をして筋肉量が増えると基礎代謝が高まり、より運動効率が上がって太りにくい身体になる効果があります。運動しにくい環境のかたは姿勢をよくして歩く、座るなどを行うことから始めてもよいかもしれません。

おわりに

名前だけは知られているものの、その怖さは意外と知られていないメタボリックシンドローム。


健康診断で腹囲が基準値をオーバーしていたら、より精密な検査と診断を受けて、健康維持に活かしてください。

  • この内容は医師の監修のもと制作していますが、健康に不安のある場合は、正確な診断・治療のために医療機関等を受診してください。
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