クレアチニンっていったい何? 腎機能の状態の把握や改善に役立てよう

クレアチニンは腎臓の状態を示す手がかりの一つです。数値に異常がある場合、何らかの原因によって腎臓の機能が低下している可能性があります。

1.腎臓の働き

腎臓は一般に「尿を作る臓器」と思われているかもしれません。その働きを少し詳しく見てみましょう。

形が特徴的な腎臓

腎臓の形のイメージイラスト
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腎臓は人の身体の背中にある脊柱の左右に、2つが対になって存在している臓器です。ちょうどソラマメのような形(イラスト参照)をしており、大きさは11cm×5cm程度と比較的小さいものの、非常に重要な臓器です。

老廃物をろ過し、尿を作る

よく知られている通り、腎臓の最も重要な働きは老廃物を除去して尿を作ることです。この記事で取扱うクレアチニンもこのような老廃物の一つです。

腎臓はこうした有害な物質を糸球体という部分でろ過し、細尿管という部分でそのろ過液の99%を再吸収し、残りを尿として体外に排出する機能を持っています。

その他の腎臓の機能

腎臓の機能はこれだけに留まりません。日本腎臓学会が監訳した腎臓病患者のためのガイド「腎臓を守るために」によると、腎臓には老廃物をろ過して尿を作ること以外にも以下のような機能があります。

  • 余計な水分を尿として排出することで、体内の水分量を一定に保つ。
  • ナトリウムやカリウムなどのミネラルや化合物のバランスを保つ。
  • 体内の塩分を調整し、血圧を一定にする。
  • 赤血球の製造や骨の維持にも役目がある。

このように、重要性はあまり知られていないものの腎臓は大切な器官であり、機能が失われることは身体に大きな損失をもたらします。

2.クレアチニンの数値を見よう

腎臓を解説する医者
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クレアチニンの数値は、そんな腎臓の働きに異常が起きていないかを調べる手がかりの一つです。

クレアチニンとは?

クレアチンリン酸という物質は筋肉が運動するための重要なエネルギー源です。これが代謝されたあとにできる老廃物がクレアチニンです。クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されるため、血中のクレアチニンの濃度が上昇していることは腎臓の機能が低下していることを意味します。


また、クレアチニンはしばしばCrと略されます。

クレアチニンの数値

クレアチニンの数値は、mg/dl(ミリグラム・パー・デシリットル)という単位で表されます。基準値は各検査機関ごとにばらつきが見られますが、人間ドック学会においては以下のような基準値を採用しています。


(男性)基準範囲:1.00以下 要注意:1.01-1.29 異常:1.30以上

(女性)基準範囲:0.70以下 要注意:0.71-0.99 異常:1.00以上

クレアチニンの異常からわかること

クレアチニンが高値を示す場合、腎臓に何らかの異常が起きていることが考えられます。急性腎臓病・慢性腎臓病・心不全などが疑われます。(心不全が起きると、腎臓に血液が流れにくくなって、老廃物が排泄できなくなってしまいます)


特に慢性腎臓病は近年増加している病気であり、日本腎臓学会作成の「CKD診療ガイド2012」によると、日本においては1,330万人もの患者が存在するとされています。腎臓の機能不全が慢性的に続く病気で、夜間頻尿・けん怠感・むくみ・息切れなどの症状が現れますが、自覚症状が出た際にはすでに病はかなり進行しているといえます。予防するためには、定期的な健康診断が欠かせません。

クレアチニンの検査は腎臓の機能を調べる上でポピュラーな検査ですが、数値は筋肉の量に左右されるため男女差が大きく、また腎臓の機能が半分程度まで低下しないと高い値を示さないという欠点があります。そのため、近年ではより精度の高い検査である推算糸球体濾過量(eGFR)の検査を追加して行うことが多くなってきました。医師の指導を受けた上で、そのような検査を同時に行うのもよいでしょう。

おわりに

腎臓のことはあまり知られていませんが、とても大切な臓器です。定期的なクレアチニンの検査を行い、健康に気をつけていたわってあげましょう。

  • この内容は医師の監修のもと制作していますが、健康に不安のある場合は、正確な診断・治療のために医療機関等を受診してください。