尿たんぱくが出たら考えられる病気と、その予防法についてのまとめ

健康診断で、尿にたんぱくが出ていると診断されたらどうすればいいのでしょうか。尿たんぱくから考えられる病気と、その予防法をまとめました。

1.尿たんぱくとは?

尿たんぱくを指摘された尿
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尿たんぱくとは、本来ならば腎臓で処理されているはずのたんぱくが尿に出ている状態のことを指します。

尿たんぱくが出る原因

腎臓には血液中の老廃物をこしとって尿として体外に排出する機能があります。体に必要な物質であるたんぱく質は通常ほとんどろ過されず、ろ過されたものも再び体内に戻されます。ところが何らかの原因により腎臓が正しく機能していないと、たんぱく質が大量にろ過されてしまったり、体内に戻されるはずのたんぱく質が尿の中に混じって排出されてしまいます。これが尿にたんぱくが出る原因です。

尿たんぱくの数値

尿たんぱくの基準値には各検査機関ごとに表記方法や数値のばらつきがありますが、一例を挙げると東京慈恵会医科大学附属病院では以下のようになっています。


健康診断(尿検査)においては、尿たんぱくの数値は-(マイナス)で陰性とされ、これが正常値となります。+(プラス)は陽性、±(プラスマイナス)は弱陽性となり、要注意です。また、+2は強陽性となり、腎臓や尿路に何らかの障害が起きていることが推定されます。

「尿たんぱく=病気」ではない

尿たんぱくが出たからといって、必ずしも病気だとは限らないことには留意しておく必要があります。

激しい運動の後や、高熱を伴う風邪などでも、一時的に腎機能が低下して尿たんぱくが陽性になる場合があります。特に若い人で尿たんぱくが陽性となり、こうした要因に心当たりがある場合は、いったん期間を置いてから再検査してみるのがよいでしょう。

2.尿たんぱくから考えられる病気

尿たんぱくの尿サンプル
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尿たんぱくが検出されることから考えられる病気は多岐にわたります。以下で解説します。

妊娠中に尿たんぱくがみられる場合

妊娠中に尿にたんぱくが出た場合は妊娠高血圧症候群の可能性があり、注意が必要です。妊娠高血圧症候群は以前は妊娠中毒症とよばれていた病気で、尿たんぱくのほか、浮腫・むくみ・倦怠感・高血圧などの症状が現れます。


このうち高血圧が母体にも胎児にも悪影響を及ぼし、最悪の場合は命にも関わります。妊娠高血圧症候群を防ぐには、食事をなるべく味の薄いものに切替え、身体への負担を減らすことが重要です。

結石

腎臓が排出する異物としてはシュウ酸カルシウム・リン酸カルシウムなどがありますが、腎臓の働きが低下してそのような異物が尿路で結晶化してしまうのが結石です。結石はできる場所・移動した場所によってそれぞれ腎結石・膀胱結石・尿管結石などと呼ばれます。


結石の症状は、疝痛(せんつう)といわれる下腹部の痛みが襲ってくることが特徴です。結石の痛みは「七転八倒の痛み」といわれ、周期的に襲ってくることがあります。しかし、痛みは強くなく鈍痛が続くこともあります。

尿道炎・膀胱炎

尿道炎・膀胱炎は尿道や膀胱などの泌尿器に炎症が起きる病気です。身体の構造の関係上、尿道炎は男性に、膀胱炎は女性にそれぞれ多くなっています。こうした炎症の多くは、尿道や膀胱に外部から細菌などが入ることで引き起こされます。


症状としては最初にトイレに行く回数の増加が見られ、その後残尿感・排尿痛などが起こります。

おわりに

尿たんぱくからくる病気から回復した女性
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尿にはその人の全てが現れるともいわれます。健康診断で尿たんぱくが見られると診断された場合は、より精密な検査を受けて医師の指導を仰ぐようにしましょう。

  • この内容は医師の監修のもと制作していますが、健康に不安のある場合は、正確な診断・治療のために医療機関等を受診してください。