アルブミンって何? アルブミン/グロブリン比は肝臓の状態を示します

健康診断の数値の一つにアルブミンがあります。血清中のたんぱく質の濃度を測る数値で、その低下で肝臓や腎臓の異常を調べることができます。

1.アルブミンとは?

アルブミンの検査の様子
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血清中のたんぱく質は、アルブミンとグロブリンの2種類に分けられます。


アルブミンは主に肝臓で作られるたんぱく質です。一方、グロブリンは肝臓以外にも骨髄などでも作られます。アルブミンの数値が低い場合は肝臓に何らかの異常が起きているか、アルブミンが腎臓や腸管から漏れ出していることを示しています。

アルブミンの値はg/dl(グラム・パー・デシリットル)という単位で計測されます。基準範囲(正常値)は4.0以上とされ、これ以下の数値が出た場合、特に3.5以下の場合は何らかの病気や栄養障害が疑われます。ただし、アルブミンの検査のみでは詳しいことは分からないため、その後に精密な検査を行います。

アルブミン/グロブリン比(A/G比)とは?

アルブミン/グロブリン比(A/G比)とは、血清中のアルブミンとグロブリンの比率を示す数値です。健康な状態における血清では、総たんぱくのうちアルブミンは約65%、グロブリンは約35%を占めています。 A/G比の正常値(基準範囲)は1.1〜2.0とされます。

2.アルブミン、A/G比からわかる病気

血液検査のボトルと聴診器
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アルブミンは主に肝臓において作られるたんぱく質です。アルブミンの値が正常値よりも低いことは肝臓に問題があるか、腎臓や腸管からアルブミンが漏れ出している可能性があることを示しています。

肝硬変

肝硬変は、肝細胞が壊れて肝臓が硬化し、肝機能が正常に働かなくなった状態のことを指します。肝硬変によって肝機能が低下すると食欲がなく疲れやすい、体重が減るなどの症状や、様々な合併症が起こります。身体の材料を作れなくなり、出血が止まりにくくなったり、身体から有害物を排除する機能が落ちて意識障害をきたす場合もあります。また、消化管から流れ込む血液を肝臓に運ぶ門脈の流れが悪くなり、血液(門脈血)が肝臓を通らず身体のあちこちにできた短絡路(シャント)を通って静脈に流れ込み、こぶ(静脈瘤)ができます。


食道静脈瘤は破裂すると、吐血や下血などをもたらし、重篤な状態になります。これだけでなく、黄だんや腹水なども起こるほか、シャントを通った血液がそのまま脳に到達し、意識障害が発生する脳肝性症が起きることもあります。


日本消化器病学会(2010)によると、日本国内における肝硬変の原因のうち75%をウイルス(C型肝炎ウイルスおよびB型肝炎ウイルス)が占め、次の15%をアルコール、残りの10%をその他が占めています。

肝炎ウイルスによる急性肝炎を放置すると慢性化することがあり、とりわけC型肝炎ウイルスによる肝炎は慢性化しやすいことが知られています。慢性肝炎を放置すると肝硬変に進んでしまいます。

またアルコールによる肝硬変の場合では、厚生労働省によると約7合の日本酒を毎日10年以上飲み続けた場合は約20%の確率で、同じ量を15年以上飲み続けると約50%の確率で肝硬変が生じるとされています。まず脂肪肝が発生し、次にアルコール性肝炎、最終的に肝硬変へと移行するのが特徴です。アルコールによる肝硬変は、禁酒・断酒を行うことで改善することがあります。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は、血液中にあるはずのたんぱく質が尿中に流れ出てしまい、血液中のアルブミン濃度が低くなった状態のことを指します。一般に、尿中に1日あたり3.5g以上のたんぱく質が漏れ出ていて、血液中のアルブミンの濃度が3.0g/dl以下の場合、ネフローゼ症候群と診断されます。


ネフローゼ症候群は、腎臓で血液中の老廃物をろ過している糸球体という部分の機能が何らかの原因によって正常に働かなくなっていることを示しています。その他、腸管からたんぱく質が漏れ出る病気や、全身に炎症を起こす病気を持っている場合、アルブミンは低下します。

おわりに

普段は聞きなれないアルブミンですが、その数値の低下は深刻な病気の兆候を示している可能性があります。

健康診断は決してうけただけで満足はせず、アルブミンの数値が低いと診断されたら、専門のお医者さんの指導をうけるようにしましょう。

  • この内容は医師の監修のもと制作していますが、健康に不安のある場合は、正確な診断・治療のために医療機関等を受診してください。