低い値が出たら貧血に注意、血色素(ヘモグロビン)っていったい何?

血色素は全身に酸素を運ぶ物質で、ヘモグロビンと呼んだほうが馴染みあるかもしれません。健康診断で低い値が出たら、貧血の可能性があります。

1.血色素とは

血管とその中を流れる血色素
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血色素とは、血液中で酸素の運搬をしているたんぱく質の一種です。ヘモグロビン(Hb)とも称されます。

血色素(ヘモグロビン)の働き

血液は主に赤血球・白血球・血小板の3つの細胞成分で構成されています。血色素(ヘモグロビン)は赤血球に含まれ、その中でも主要な構成要素をなしています。ヘムといわれる鉄と、グロビンといわれるたんぱく質の2つの成分から成り立っています。


赤血球は全身に酸素を行きわたらせる働きをしていますが、その働きを担っているのがヘモグロビンです。肺で酸素と結びついたヘモグロビンが全身に酸素を行きわたらせ、同時に体内から不要な二酸化炭素を回収しています。

健康診断におけるヘモグロビン

健康診断においてはヘモグロビンの検査は、血液の一般検査と呼ばれます。赤血球の数(RBC)の検査および、血液中の赤血球の比率を調べるヘマトクリットの検査などが同時に行われます。

ヘモグロビンの値はg/dl(グラム・パー・デシリットル)という単位で表記されます。異常なしとされる基準範囲は各学会や検査機関によりばらつきがありますが、人間ドック学会においては男性の場合は13.1〜16.6g/dl、女性の場合は12.1〜14.6g/dlまでが基準範囲とされています。

ヘモグロビンの値が低い場合

血色素の値が低い場合、血液に何らかの異常が起きていることが考えられます。人間ドック学会においては、男性はヘモグロビンの量が12.0〜13.0g/dlの場合に「要注意」、11.9g/dl以下の場合に「異常」としています。また女性は11.0〜12.0g/dlで「要注意」、10.9g/dl以下で「異常」としています。


血色素の値が低い場合、鉄欠乏性貧血や身体の内外で起きている出血、腎臓病によるもの(腎性貧血)、腫瘍などが考えられます。骨髄の異常によるもの(再生不良性貧血)によっても、血色素の値が低くなることがあります。ヘモグロビンが低い時は貧血という病態とされています。

では貧血があるとどのようなことが起きるでしょうか。

2.貧血について

「自分は貧血気味なの」と言っている人はよく見ると思います。しかし、貧血はそのまま放置しておくとさらに怖い症状を引き起こすこともあります。

貧血の症状

ゆっくりと進行している、あるいは長い期間貧血状態である方に起こりやすい症状として、めまい・動悸・息切れ・慢性的な疲れやすさ・倦怠感・頭痛・顔色が悪い・胸痛などがあげられます。症状が進むと手の爪がスプーン状に湾曲していたり、口角(唇の両端)に炎症が起きることもあります。

女性と貧血について

女性の場合、その生涯によって貧血となりやすい時期があります。月経では個人差がありますが、一回に20〜140gの出血があるとされています。また妊娠・出産でもその体内の血液量は大きく変わります。それに加えて女性の中には極端なダイエットを行う方がいます。


急激なダイエットによって鉄分やたんぱく質などの栄養価が不足し、貧血が起こりやすくなります。このように女性は貧血になりやすいというイメージがあるため、貧血を指摘されても「仕方ないこと」と思ってなかなか精密検査をうけに行かない方が多いようです。


しかし、貧血は子宮筋腫などの女性特有の病気に加え、胃潰瘍、肝硬変などの病気が原因となっていることがあります。

貧血を指摘されたら、一度は医療機関で検査をうけるようにしましょう。

おわりに

血色素が低いと診断されたら貧血に注意しましょう。女性に多い貧血ですが、そのまま放置しておくと怖い症状を引き起こすこともあります。

  • この内容は医師の監修のもと制作していますが、健康に不安のある場合は、正確な診断・治療のために医療機関等を受診してください。