私のGOOD DRIVE

GOOD DRIVE
前編メインイメージ
2021.07.01

松任谷正隆のGOOD DRIVE(前編)

「クルマは、人柄や志を映す鏡」

第3回のゲストは、クルマ好きとして知られる音楽プロデューサーの松任谷正隆さん。ソニー「VISION-S」事業責任者の常務・川西泉さんとの対談形式で、前編と後編に分けてお届けします。

インタビューNo.01

クルマは憧れと夢の象徴

自動車に興味を持ったのはいつですか?

松任谷正隆(以下・松任谷)
小学生のころ、1950年代です。一家族に1台クルマがあるなんて、まだ想像できない時代でした。身内の中でただ1人、鎌倉に住む伯母がいすゞのヒルマンミンクスというクルマを持っていて、それがクルマを意識するようになった最初だったかもしれません。

川西泉(以下・川西)
僕はスーパーカーブームの世代で、小学生のころでした。
スーパーカーのプラモデルや、『サーキットの狼』という漫画が流行していました。ランボルギーニカウンタックやフェラーリ365BBが格好良く、特にフェラーリが好きで、ミニカーを持っていました。どれだけ価値があるのかはわからなくても、デザインから特別なクルマだということを感じたのだと思います。街を走っているほかのクルマとは違うすごい乗り物なんだ、と。今思うと、デザインに興味を持ったのも、スーパーカーがきっかけだったのかもしれません。

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松任谷
運転免許は16歳で取れるので、高校1年生のときには軽自動車を買って運転している同級生もいました。そういう環境のなかで、クルマを持つことへの思いが深まっていった気がします。

(*当時、「軽乗用車運転免許」があり、16歳から運転免許を取得することができました。)

インタビューNo.02

クルマが恋をサポートしてくれた

最初に買った車種は?

松任谷
僕の最初はカローラスプリンターです。色はホワイト。大学1年生で、18歳でした。トヨタか、日産か、少し迷いましたが、当時付き合っていたガールフレンドの父親がトヨタのディーラーをやっていて、それでカローラにしたことを覚えています。

川西
最初は国産だったのですね。

松任谷
もちろん国産です。あのころの僕はクルマというだけで、もううれしかった。その後は、2台続けてマークUに乗りました。

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初めて買った外国車は?

松任谷
アウディです。350万円でした。音楽の仕事で250万円を貯めて、当時付き合っていた由実さん(妻・松任谷由実)に100万円を借りました。表参道の交差点に富士銀行があって、キャッシュディスペンサーで10万円ずつ10回下ろしました。当時は1度に10万円しか下ろせなかったので。僕たちの後ろに行列ができた。あのときの100万円を返さないうちに結婚しました。

川西
リアルに憶えていらっしゃいますね。

松任谷
そのクルマでスタジオへ行ったら、幸宏(高橋幸宏)に「なんだ、貧乏人のベンツか」と言われたんですよ。ベンツが買えないからアウディにした、と。嫌なやつですよね。でも、そういう幸宏もアウディに乗っていたんですけどね。

川西
僕は最初がシルバーのメルセデス・ベンツでした。Cクラスです。

松任谷
スタートがベンツとは、うらやましい。

川西
30代になってからですよ。結婚して、子どももできて、家族で出かけられるクルマがほしくなりました。10代から20代はバイクに乗っていて、ドライブをしたいときにはクルマを借りていました。Cクラスにしたのは家族の意見です。家族全員が乗れることや、安全など、現実的な理由で選びました。

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インタビューNo.03

マナーがいい日本のクルマ社会

どんなときに1人で運転しますか?

松任谷
ほぼ毎週東京から箱根に通っています。テレビのクルマの番組の撮影ですけれどね。

川西
僕は1人で乗ることはほとんどないですね。クルマが好きで、目的もなく1人で出かける人もいると思いますが、僕は比較的少ないですかね。週末に夫婦や家族で買い物に出かけることが多いです。

松任谷
僕は東京の街中ではあまり運転しなくなりました。街中はいろいろなドライバーが、いろいろな気持ちで運転しているから正直なところ怖いです。ナビと格闘しながら、とかね。

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でも、日本人の運転マナーはよくなっていますよね。

松任谷
確かによくなっていますね。あおり運転のトラブルが報道されることがありますが、日本社会全体としては運転マナーは向上しているのではないでしょうか。まず、みんな、クラクションを鳴らさなくなりました。あくまでも感覚ですが、僕が20代のころと比べたら、10分の1くらいになった気がします。車線の合流でも、みんな紳士的です。いつからなのかな、暗黙の了解で、譲り合って、左右交互に入っていくでしょ。以前は、自分の前には絶対に入れない意地悪なドライバーがいました。ああいうクルマは少なくなったような気がします。

インタビューNo.04

車内空間は家族関係を深くする

ドライブで印象的な出来事はありますか?

松任谷
結婚する前、20代前半にからし色のマークUに乗っていたとき、由実さんが納豆スパゲッティを作ってきてくれたんです。ところが、それを車内でこぼしてしまった。ヒーターの吹き出し口の中にも納豆が入ってしまって。それからというもの、ヒーターをつける度に得も言われぬにおいが車内に立ち込めて、もう大変です。あのマークUに乗っている間はずっと、あのにおいを感じながらハンドルを握っていました。

川西
僕はクルマで遠出することはあまりないのですが、家族で横浜へ食事に出かけるとか、ディズニーランドへ行くとか、そういうときは楽しいですよ。東京から近いところへ家族で出かけるときのクルマの中の空間はとても心地いい。運転は僕、助手席は妻、子ども2人は後部座席。家族でのドライブでは、音楽も聴かず、ずっと会話を楽しんでいます。クルマはリビングとは違い、家族が同じ方向を向いて、走っていく。自宅にいるときより親身な会話をしているように思います。

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インタビューNo.05

理想は川の流れのような
自然な運転

運転ではどんなことに気を遣いますか?

川西
僕はスピードを出さないようにしています。無理な追い越しもしません。年齢のせいかもしれませんが、無茶な運転はしなくなりました。

松任谷
若いころは飛ばしましたか?

川西
クルマではそうでもありませんが、バイクではスピードを出しましたね。松任谷さんもおっしゃる通り、社会全体が安全を心がけるようになっていることもあり、今はスピードも抑えています。

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松任谷
僕が心がけているのは、基本的に同乗者が酔わないような運転でしょうか。酔わない運転、というのは物理的にも理にかなっており、しかも速く走れる、というところにも繋がります。
あと自分のコンディションを知ることは大事ですね。たとえば、レーンをピタッとセンターキープしにくい、とか、ブレーキのタイミングがなんとなく流れに合わない、とか。そういうときは体調が下向きなので、気をつけるようにします。もっとも恐れているのは居眠り運転ですけど・・・。

インタビューNo.06

クルマは人柄や志を映す鏡

今はどんなクルマに乗っていますか?

川西
最初がベンツで、その後も現在まで3台ベンツを乗り継いでいます。

松任谷
今は3台。1台は20年前のポルシェ、そして6.3リットルの大排気量の小型ベンツ、あとはやっぱり最新のものは知っていたいからテスラのモデルXです。

川西
3台とはすごいですね。 そういえば、もう20年くらい前ですが、青山通りでフェラーリで信号待ちしている松任谷さんをお見かけしたことがあります。

松任谷
えっ、それはそうとう嫌なやつですよね。

川西
そんなことないですよ。かっこいいクルマに乗られているなあ、と思いました。

松任谷
いえ、嫌なやつだと思いますよ。フェラーリって、僕にとっては身の丈ではありませんから。

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次はどんなクルマがほしいですか?

松任谷
まさしく今、納車を待っています。プジョーの小さいやつ。選んだ理由は、なんとなく気持ちが楽になるから。川西さんが見かけたフェラーリを運転する僕は、やっぱり等身大じゃないと思うのです。プジョーなら、街に溶け込むように運転できるんじゃないかな。

川西
次のクルマ、僕はなんだろう……。今はソニーの電気自動車、VISION-S Prototypeの開発に携わっていますが、自分が格好良いと思えるクルマを選びたいとは思っています。これはたぶん多くの人に当てはまると思うのですが、子どものころに憧れていたクルマと、大人になって自分が乗るクルマに、どうしてもギャップが生じると思うのですよ。結婚して、子どもが生まれれば、家族の意見も尊重したいと思いますので、ワンボックスやSUVを選ぶことになる。もちろん、それもいい選択だと思います。僕自身、クルマは家の延長のように乗りたい。家族で出かけたいですから。でも、自分の思い入れが強いクルマも選んでみたい気持ちもあります。

松任谷
クルマ選びの難しさのひとつは、外から見るとブランドものを着ているが如く判断されることかもしれませんね。あんなものに乗って・・・みたいな。自分がどんなにそのクルマのことを好きでも、外から見ればそれぞれの判断をされてしまう。ま、気にしない、というやり方もあるけれど、そうも言っていられないのが社会ですから。
今ははっきり言って世の中に悪いクルマなんてありません。どれもクオリティはちょっと前と比較しても飛躍的に高く、安全に対するアプローチも変わってきましたよね。個性も濃淡はあるけれど、ちゃんと存在する。となると、どういう人間に見られたいのか、がやっぱり気になってくるのかなあ。

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印象に残っているクルマはありますか?

松任谷
うーん……、どれだろう……。1980年代に乗っていたアルファ・ロメオ、かな。それまでずっと高級車を目指していた自分が、方向転換して、小さくて、そのクラスで一番安いクルマを選びましたからね。当時、アルファ・ロメオは一部のマニアしか乗っていなかったので、メンテナンスにも苦労しました。しょっちゅう故障して、どれだけやせ我慢したことかわかりません。でもね、その分想い出もたくさん出来た。クルマの価値は人間とのあいだに出来るものなんですね。それ以来、クルマに対する、というだけでなく、すべての価値観が変わった、という意味でもいい選択だったんだろうなあ。

後編では、いよいよソニー「VISION-S Prototype」に試乗体験!

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PROFILE

松任谷正隆

1951年、東京都生まれ。作編曲家、音楽プロデューサー。1974年 慶應義塾大学・文学部卒。
4歳からクラシックピアノを習い始め、14歳の頃にバンド活動を始める。
20歳の頃プロのスタジオプレイヤー活動を開始し、バンド“キャラメル・ママ”“ティン・パン・アレイ”を経て、数多くのセッションに参加。
その後アレンジャー、プロデューサーとして多くのアーティストの作品に携わる。
1986年には音楽学校「MICA MUSIC LABORATORY」を開校。ジュニアクラスも設け、子供の育成にも力を入れている。
松任谷由実のコンサートをはじめ、様々なアーティストのイベントを演出。また、映画、舞台音楽も多数手掛ける。
日本自動車ジャーナリスト協会に所属し、長年にわたり、「CAR GRAPHIC TV」のキャスターを務める他、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考委員でもある。
FMラジオのレギュラー番組として、TFM「松任谷正隆のちょっと変なこと聞いてもいいですか?」(毎週金曜日17:30〜)を放送中。

川西泉

1963年生まれ。1986年ソニー株式会社入社。1995年ゲーム事業を担うソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)に出向し、プレイステーションの開発を担当。2014年ソニー株式会社執行役員就任。2017年AIロボティクスビジネスの立ち上げに際し責任者に。2021年常務に就任。AIロボティクスビジネス担当 AIロボティクスビジネスグループ 部門長。

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撮影場所:Sony Square
Sony Squareはソニーグループ本社にある、一般非公開の施設です。
ソニーグループはエレクトロニクス、映画/音楽/ゲームをはじめとするエンタテインメント、加えて国内ではフィナンシャルサービスなど、多様な事業を展開していますが、ここ “Sony Square” はそんな幅広い事業を展開するソニーグループの「今」と「その先」を体感できる世界で唯一のショールームです。

私のGOOD DRIVE看板

いいドライブで、いい人生へ。

気持ちが前向きになったり。新たな出会いがあったり。
いいドライブは、いい人生につながっている。
「私のGOOD DRIVE」では、ゲストをお迎えして、
それぞれのGOOD DRIVEについてお話を伺います。
あの人は、どんなことを考えて走っているのか。
どんな音楽を聴いて、どんな場所に向かうのか。
ドライブと人生を楽しむための道標を、
いっしょに見つけていきましょう。

GOOD DRIVE

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