火災保険は契約の途中でも解約できる?
解約返れい金や注意点を解説

公開日:2022年7月13日

火災保険は契約の途中でも解約できる?

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住まいが変わったり、居住地のハザードマップが更新されたりしたら、火災保険の見直しが必要です。保険料を追加して補償や特約を付帯する、今の契約を解約して加入し直すなどの方法があり、解約した場合、未経過期間分の保険料が戻ってくる可能性があります。
ここでは、火災保険を契約の途中で解約する方法や、注意点について詳しく見ていきます。

※可能な見直し方法は商品や保険会社により異なります

火災保険は契約の途中でも解約できる

住宅取得時や入居時に火災保険に加入したけれど、その後引っ越すことになったり、あるいは居住地の災害リスクに補償がマッチしていなかったりしたら、契約の途中でも火災保険の見直しが必要です。

※名義変更を伴う物件の売却をする場合は、火災保険の解約が必要です。

かつて火災保険は、最長36年間の保険期間で加入ができたので、住宅取得時に住宅ローンの期間に合わせた長期の火災保険を選択して、契約時に保険料を一括で支払うケースが多くみられました。このとき、住宅取得やローン手続きに忙殺されて火災保険の検討が後回しとなり、「勧められるままに加入したけど、内容は…」という人も少なくありません。その後長年にわたり、契約内容の把握や見直しをしなかったり、契約後に住まいの状況に補償が合っていなかったと気づいたりすることもあります。

こうしたとき、契約の途中でも火災保険の内容を見直すことは可能です。適切に見直しするために、火災保険の見直しタイミングも確認しましょう。

火災保険の解約や見直しをするタイミングはいつ?

火災保険を見直すタイミングは、大きく分けて以下の3つがあります。

「1.引越し」は言うまでもなく、火災保険の解約や見直しのタイミングです。「2.住宅の増改築」を行ったときは、保険金額の増額などの見直しが必要になります。

また、契約後に「3.居住地のハザードマップの更新」が行われれば、風水災の補償が新たに必要になる場合もあるでしょう。

たとえば、居住地のハザードマップが更新されて浸水リスクがあることが分かり、水災補償を追加したいとします。契約の途中で保険料をプラスして、水災補償を追加できる保険もあれば、一方で追加はできず、水災補償が含まれる別の商品に契約し直すことが必要な保険もあります。後者の場合、それまで加入していた保険を解約することになります。

火災保険の解約返れい金

長期契約した火災保険を満期前にやめてしまうと、せっかくかけた保険料が無駄になるのでは、と疑問を持つ人もいるかもしれません。しかし、火災保険を保険期間の途中で解約した場合、経過していない期間の保険料のうち、所定の方法で算出された金額が解約返れい金として戻ってきます。

火災保険を途中で解約したときに戻る保険料はどの部分?

たとえば、保険期間5年の火災保険契約を、3年目で解約するケースを考えてみましょう。契約後3年目の解約時点では、満期までの2年間は未経過です。そのため、3年目の時点で解約すると、以下のような計算方法で算出した未経過2年分の保険料が解約返れい金として戻ってきます。

解約返れい金の計算方法例

一般に、解約返れい金の額は「未経過料率表(=未経過料率係数表)」で計算できます。
未経過料率表は、契約からの経過年月に該当する未経過料率を一覧にしたものです。ここから、解約時に該当する経過年月の未経過料率を拾い出し、支払った保険料に乗じると、解約返れい金の額が算出できます。

たとえば、2021年4月1日を保険始期日として契約した保険期間5年の火災保険契約を、2024年4月2日(3年と1日目)で解約する場合、未経過料率表の「5年契約」を確認してみてください。さらに、下表にある「経過年数3年」と「経過月数1ヵ月まで」のぶつかるところの数字が、解約返れい金の算出に用いる未経過料率です。

解約返れい金の計算方法

火災保険の未経過料率係数表 5年契約の部分・ソニー損保の例
保険始期日が2021年1月1日以降の場合

【保険期間5年の現在の契約(一括払保険料50万円)を3年と1日で解約する場合】

  • @未経過料率係数表の「5年契約」部分を探す
  • A表の横軸「経過年数3年」、縦軸の「経過月数1ヵ月まで」に該当する係数を探す
  • B解約返れい金=支払った保険料50万円×係数37%=18万5千円

※端日数1ヵ月未満は1ヵ月として計算する

上の表で該当する未経過料率は、37%となります。このときの解約返れい金の計算方法は…

支払った保険料50万円×37%=18万5千円

となります。よって、解約返れい金は「18万5千円」です。

経過月数は、端日数1ヵ月未満を1ヵ月として計算するため、1日でも過ぎていれば「〇ヵ月まで」とみなされます。また、満期前1ヵ月を切ったときの未経過料率は0%です。

そのため、未経過期間があっても解約返れい金は支払われないことになります。未経過期間が短くなるほど未経過料率は低くなり、解約返れい金も減ります。解約を決めたら、速やかに手続きすることが肝要です。

未経過料率表は、損害保険各社が提供するウェブサイトや資料などで確認できるので、解約返れい金の計算は自分でもできます。ただし、保険商品や契約時期により、用いる未経過料率表が異なる点には注意が必要です。また、各社で未経過料率が異なることもあります。よって、解約返れい金の正確な金額は、契約先の損害保険会社の未経過料率表を用いて計算する必要があります。

なお、地震保険の解約返れい金を算出する場合は、地震保険専用の未経過料率表を使用します。地震保険期間は最長5年なので、未経過料率表も5年契約までのものがあります。地震保険の未経過料率表は各社共通のため、以下の表を参考にしてください。

地震保険の未経過料率係数表

地震保険用の未経過料率係数表
保険始期日が2021年1月1日以降の場合

火災保険を解約するときの注意点

火災保険の解約で注意したい点は、有利な条件で加入した火災保険を解約してしまうリスクがあることです。

火災保険を長期契約して保険料を一括払にする場合、期間が長いほど割引率が大きくなり、保険料が抑えられます。かつては最長36年と超長期で加入できたので、現在と比べると大きな保険料割引を享受できました。また全国平均で見れば、以前の火災保険は多くの場合、現在より安い水準の保険料で加入できました。

※都道府県や物件構造、契約時期で異なります

一方、近年は各地で風水災が相次ぎ、火災保険料が段階的に引き上げられてきています。
つまり、かつては安い保険料にさらに割引が適用される有利な条件で火災保険に加入できたので、これを解約して新たな火災保険に加入し直すと、保険料の面で不利になる場合があるのです。

ただし、火災保険は数千万円レベルの生活基盤が失われるようなリスクをカバーするのがその役割です。コストが数万円上がる場合でも、居住地や物件のリスクを踏まえて適正に見直し、必要な補償の確保を優先すべきなのは言うまでもありません。

火災保険を見直すときは、以下のステップで進めるといいでしょう。

そのうえで、解約や補償の上乗せなど、ベターな方向を具体的に検討しましょう。

新たな契約を確保してから解約を

現在の火災保険を解約して、別の保険に加入し直す場合は、空白期間が生じないよう新たな保険の契約が成立してから解約手続を進めましょう。ひとたび火災保険を解約すると、解約日以降は契約の効力が失われ、事故や災害で受けた損害に保険金が支払われなくなるからです。

一方、住宅を売却したり、取り壊したりと火災保険が不要になった場合には、速やかに解約手続を行い、未経過期間分の解約返れい金を無駄なく受取りましょう。

火災保険の解約手続をするには、保険会社のコールセンターや代理店に申し出ます。書類に不備がなければ、解約返れい金が振り込まれますが、解約手続にかかる日数についても確認しておくと安心です。

※掲載内容は公開当時のものであり、現在と異なる場合があります。

執筆者情報 : 清水 香(しみず かおり)

1968年東京生まれ。CFP®認定者。FP1級技能士。社会福祉士。消費生活相談員資格。自由が丘産能短期大学講師。中央大学在学中より生損保代理店業務に携わるかたわらファイナンシャルプランニング業務を開始。2001年、独立系FPとしてフリーランスに転身。2002年、(株)生活設計塾クルー取締役に就任、現在に至る。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか、執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、TV出演も多数。
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