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過去10年間(2013年〜2022年)の水害被害額調査

被害総額は7兆円以上。被害額が一番高いのは「福島県」
都道府県別の水害被害額マップを公開。

ソニー損保では、適切な火災保険の選び方や見直し方を多くの方に知ってもらうために、さまざまな情報発信を行っております。
このたびソニー損保は、国土交通省が公表している過去10年間(2013年〜2022年)の水害被害額を参考に、都道府県別の水害被害額マップを公開するとともに、過去の自然災害について振り返ります。また、2024年度を目処に改定予定の火災保険の解説と自然災害の被害を補償する火災保険について改めてご紹介します。

都道府県別の水害被害額マップ(2013年から2022年)。過去10年間の水害被害額の合計は7兆2,939億円で、各都道府県の被害額がマップ上に示されている。主な被害額として、福島県が1位で7,277億円、広島県が2位で4,563億円、岡山県が3位で4,409億円、熊本県が4位で3,964億円、福岡県が5位で3,930億円となっている。水害リスクの高低も色分け(青が高リスク、赤が低リスク)で示されている。

近年増加する大雨による被害

大雨による被害の空撮写真。川が氾濫し、周囲の住宅や農地が泥や土砂で埋まり、広範囲にわたって被害を受けている様子が確認できる。

近年の自然災害の増加に伴い、大雨による被害が増加傾向にあります。令和に入ってから、2019年の東日本を中心に被害をもたらした台風19号や2020年7月の大雨、2022年の台風14号・15号など毎年のように大雨が発生しています。2023年は大雨による水害被害が多い1年となり、梅雨時期の6月・7月のわずか2ヵ月間で人的被害93名、住家被害25,262件と甚大な被害が発生しました(※1)

今後も地球温暖化の進行に伴って、大雨や短時間に降る強い雨の頻度はさらに増加する可能性が高く、台風や大雨による風水害・土砂災害発生リスクが高まるとともに被害額も増加していくことが予想されます。

こうした背景を踏まえ、ソニー損保では国土交通省が公表している過去10年間(2013年〜2022年)の水害被害額を参考に、水害被害の総額や被害額が大きい都道府県を調査しました。

1.過去10年間(2013年〜2022年)の水害被害額1位は「福島県」

国土交通省が毎年公表している、過去10年間(平成25年〜令和4年)の都道府県別の水害被害額を集計すると、福島県が最も多いことがわかりました。その額は7,000億円を超え、2位の広島県と比較すると、その差は約2,700億円と非常に大きくなっています。上位5県をみると、福島県以外の広島県・岡山県・熊本県・福岡県は西日本に属しており、西日本で水害被害額が大きい傾向にあることがわかります。6位から10位は東日本に属する都道府県が続き、被害額は3,000億円前後となっています。

全国の過去10年間の水害被害額を合計すると、その額は約7.2兆円にのぼります。2018年が約1.4兆円、2019年が約2.1兆円と、この2年間だけで過去10年間の水害被害額の約半分(49.1%)を占めています。
近年の自然災害の増加や異常気象が要因と考えられますが、そのなかでも通称「平成30年7月豪雨」と呼ばれる西日本を中心に発生した大雨と「令和元年東日本台風」が大きく影響しています。

過去10年間の水害被害額ランキング:1位 福島県 7,277億円、2位 広島県 4,563億円、3位 岡山県 4,409億円、4位 熊本県 3,964億円、5位 福岡県 3,930億円、6位 栃木県 3,304億円、7位 宮城県 3,260億円、8位 静岡県 2,971億円、9位 長野県 2,860億円、10位 岩手県 2,846億円
過去10年間の全国の水害被害額合計 7兆2,939億円(2018年:1兆4,051億円、2019年:2兆1,799億円が約半分を占める)。年別被害額:2013年 4,061億円、2014年 2,938億円、2015年 3,896億円、2016年 4,661億円、2017年 5,360億円、2018年 1兆4,051億円、2019年 2兆1,799億円、2020年 6,618億円、2021年 3,583億円、2022年 5,967億円。

2.2018年水害被害額は約1.4兆円。西日本を中心に記録的な大雨を記録

愛媛県大洲市(おおずし)東大洲地区の浸水被害(大洲市提供)と、広島県呉市安浦町の土砂災害による被害の写真。浸水被害の写真では、広範囲にわたって水が堤防を越えて浸水し、建物や道路が水没している様子が見られる。土砂災害の写真では、大量の土砂が建物や周辺の土地を覆い、住宅や施設が大きな被害を受けている状況が確認できる。

「平成30年7月豪雨」は、平成30年6月26日から7月9日に発生した梅雨前線豪雨および台風第7号による集中的な大雨を指します。当時全国の多くの観測地点で降水量の値が観測史上第1位となり、広い範囲における長時間の記録的な大雨となりました。人的被害720名、住家被害56,478件と甚大な被害であったことがうかがえます。

2018年の水害被害額は約1.4兆円ですが、「平成30年7月豪雨」の被害額だけで約1.2兆円となり、そのほとんどを占めています。「平成30年7月豪雨」による都道府県別の水害被害額上位3県は、岡山県(約4,198億円)、広島県(約3,387億円)、愛媛県(約1,657億円)となっており、岡山県と広島県は過去10年間の水害被害額上位10位にもランクインしましたが、過去10年間の水害被害額の大部分は「平成30年7月豪雨」の被害額であるということがわかります。

3.2019年の水害被害額は過去最大の2兆円越え

2019年の全国の水害被害額は約2兆1,800億円となり、津波以外の水害被害額の合計が統計開始以来最大となった年です。また、津波以外の単一の水害による被害額についても、「令和元年東日本台風」による被害額は約1兆 8,800 億円となり、こちらも統計開始以来最大の被害額となりました。

2つのグラフ。左のグラフは「1年間の水害被害額(名目額)」を示しており、2018年は約2兆200億円、2019年は約2兆1,800億円と突出して高い。右のグラフは「津波以外の単一の水害による水害被害額(名目額)」で、平成30年7月豪雨が12,150億円、令和元年東日本台風が18,846億円と、他の災害に比べて特に高い被害額を示している。

「令和元年東日本台風」は、2019年10月6日に南鳥島近海で発生し、その後日本に上陸した台風です。関東甲信地方、東北地方の多くの地点で3・6・12・24時間降水量の観測史上1位の値を更新するなど記録的な大雨となりました。全国142箇所で堤防が決壊、人的被害は463名、住家被害は81,619件と多大な被害が発生しました。

都道府県別水害被害額図。被害額は色分けで表示され、赤が500億円以上、オレンジが100億円以上500億円未満、黄色が50億円以上100億円未満、白が50億円未満となっている。東北地方や関東地方の一部が特に被害額が大きい(赤やオレンジ)ことが示されている。

「令和元年東日本台風」による都道府県別の水害被害額上位3位は、福島県(約6,798億円)、栃木県(約2,610億円)、宮城県(約2,530億円)となっており、3県は過去10年間の水害被害額上位10位に入っています。「平成30年7月豪雨」と同様、過去10年間の水害被害額の大部分が「令和元年東日本台風」の被害額であるということがわかります。

また、福島県の2019年の水害被害額は約6,823億円で、過去10年間の都道府県別の水害被害額のなかで最も大きい値となっています。

4.自然災害の増加が原因で火災保険料が2024年度から値上げ予定

こうした自然災害の影響を受けて、2024年度を目処に火災保険料が改定される見通しです。毎年のように自然災害による被害が全国各地で多発しており、保険金の支払いが増加傾向にあるためです。2023年の参考純率の改定は、2014年以降最大となる全国平均で13.0%の引上げとなり、各社の火災保険料に順次反映される見込みです。

大規模自然災害の増加に伴う火災保険参考純率の改定(2014から2023年)。2014年から2023年の間に、2018年は+5.5%、2019年は+4.9%、2021年は+10.9%、2023年は+13.0%の引き上げが行われ、2024年には地域の水災リスクに応じた5区分の細分化が予定されている。2014年から2023年で参考純率は約1.4倍に上昇している。

5.水災リスクに応じて水彩料率を5区分に細分化

2023年の改定は参考純率の引上げだけではなく、契約者間の公平化を図る目的で、水災リスクに応じて5段階に料率が細分化されることになりました。水災リスクが最も低い「1等地」から最も高い「5等地」の5つに区分され、水災リスクが高いエリアにお住まいの方は火災保険料が値上げとなる可能性があります。居住エリアの自然災害リスクを正しく把握し、補償内容について適切な選択や見直しを行うことが重要です。

料率改定に先立って、損害保険料率算出機構のウェブサイト上で、お住まいの市区町村がどの水災等地に分類されるかを検索することができます。居住エリアの水災リスクを把握し、補償内容の見直しの参考にしてみてはいかがでしょうか。なお、水災等地の区分は永続的なものではなく、今後の自然災害の状況等に合わせて適宜見直しが行われる予定です。

2024年度の火災保険値上げチェックポイントを紹介する画像。「水災等級を確認するために」お住まいの市区町村の水災等地を確認する方法が説明されており、等級が高いほど保険料が高くなることを示している。左側には等級1から5のリストがあり、等級が上がると保険料が高くなることが赤い矢印で表現されている。右側には水災等地の検索画面が表示され、該当地域の情報を確認する方法が説明されている。また、「災害リスクを把握するために」ハザードマップによる水災リスクのチェック方法も記載されており、関連リンクが紹介されている。

6.ソニー損保 新ネット火災保険の水災補償・補償選択時のチェックポイント

水災補償/ソニー損保 新ネット火災保険の場合

台風や暴風雨などが原因で起こる洪水・高潮・土砂崩れなどにより、建物や家財に再調達価額*の30%以上の損害が生じたとき、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水となった結果、損害が生じたときに、保険金を支払います。

  • 万一事故が起きた場合、実際にかかる修理・建て直しに必要な金額のこと

また火災保険では、補償対象を建物・家財の単位で選択します。水災の場合でも、範囲をどのように選択しているかによって被害に遭った際に補償される対象が異なってきます。

建物の補償例

台風で川が氾濫し、床上浸水が起きて床と壁紙の張り替えが必要になった
暴風雨で自宅裏の山が土砂崩れを起こして家屋が半壊した

家財の補償例

高潮で床上浸水が起き、家電が壊れた
洪水で家具が使えなくなった

水災補償の補償範囲Q&A

水災補償には条件がある?

水災補償は、下記のような支払条件があることがあります。

条件に該当しない場合、保険金が支払われません。また数十年前に加入した保険で水災が対象外となっているものもあるため、水災被害に遭った時に補償が受けられるのか契約内容を確認しておくことが重要です。
  • 建物や家財に再調達価額の30%以上の損害があること
  • 床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水があること
豪雨で車が浸水した時は火災保険で補償される?

車両の浸水被害については、火災保険の対象外です。

自動車保険の「車両保険」で補償されます。

利用条件

本記事内の図/文章とも自由に転載いただくことが可能ですが、下記の利用条件をすべて満たす場合に限ります。なお、当社がふさわしくないと判断した場合は、掲載の中止を求めることがあります。

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    https://www.sonysonpo.co.jp/fire/rsc_014.html

報道関係者からのお問合せ先

ソニー損保PR事務局(株式会社スキュー内)

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