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住宅ローン契約時に火災保険の加入は必須?
加入時や完済時の注意点を解説

公開日:2023年3月10日

※この記事は、一般的な火災保険商品について説明しております。ソニー損保の新ネット火災保険の詳細はこちらからご確認ください。


多くの人は、住宅ローンを借入れるとき火災保険に加入します。借入先から加入を求められるためですが、どの火災保険に加入するかは自分で選べます。住宅ローン完済後も長く続けることになる火災保険ですから、補償や保険料をよく比較して納得できる選択をしましょう。わが家に合った火災保険に加入するための注意点などを解説します。

住宅ローン契約時に火災保険の加入が求められる理由

住宅ローンを借入れる際は、金融機関から火災保険の加入を求められます。それは、金融機関が債権者として債権の保全を図るためです。融資の担保にした建物が火災や自然災害で失われると、債権回収が難しくなるおそれがあります。こうしたことが起きたとき、契約者に保険金が支払われ、住宅ローン返済が滞ることなどないよう、債務者に火災保険の加入を求めています。

債務者にとっても、損害が生じた建物を火災保険金なしに再建や修繕をしながら、住宅ローン返済を続けることは、多くの場合困難です。火災保険に加入して損失に備えることは、債務者が家計破綻を回避するために、そもそも必要なこと。火災保険に加入しないと、物件の引渡しを受けられなかったり、住宅ローン融資が実行されなかったりするおそれもあります。

どの火災保険に加入するかは自分で決めていい

住宅ローンを借入れる際、金融機関や住宅事業者が取扱う火災保険をすすめられることもあります。金融機関やその系列会社は、損害保険代理店を兼務していたりするからです。

ただし、金融機関が自社のすすめる保険の加入を契約の条件にしたり、加入しないと取引に影響したりすると伝えるなど、お金を貸出す地位を利用して契約を迫ることは法律で禁止されています。その内容は、保険業法施行規則に保険契約者等の保護に欠けるおそれがあるものとして、内閣府令で定める禁止行為の中の「取引上の優越的な地位を不当に利用した保険募集の禁止(施行規則第234条第1項7号)」に定められています。

銀行等の業界団体である一般社団法人全国銀行協会(全銀協)も、行員が保険募集時に順守する事項として、以下のように具体的な留意点をまとめています。

つまり、銀行が住宅ローン契約時に保険商品の提案することは問題ありませんが、住宅ローンを提供する立場を不当に利用して保険を販売することは禁止されているのです。

なお、借入先の金融機関等で火災保険を契約すると、以下のようなメリットがあると考えられます。

契約者は、住宅ローンの借入先はもちろん、火災保険の補償内容や保険期間も自由に選択できます。どのような選択をするかで保険料の負担も変わってくるため、他の損害保険会社の火災保険も含めた事前リサーチは欠かせません。

いつまで?火災保険を検討できる期間

住宅ローンの手続き上、物件の引渡し時、および融資実行時に補償が開始するよう、火災保険の契約手続きを完了させる必要があります。物件の引渡し以降に生じた住宅の損害は、所有者の責任で修繕することにもなるからです。
取引される物件や金融機関により異なりますが、住宅ローンの事前審査の申込みから融資実行までには1ヵ月程度かかるのが一般的です。つまり、融資実行時までに、火災保険について情報を集める時間はそれなりにあるということです。

住宅ローン手続きの一般的な流れと火災保険加入のタイミング
住宅ローン手続きの一般的な流れと火災保険加入のタイミングの図 住宅ローン手続きの一般的な流れと火災保険加入のタイミングの図

融資実行までにさまざまな手続きを要することから、火災保険には直前に慌てて加入する人が多いもの。しかし、いずれにしても加入することにはなるのです。であれば、よりわが家に合った、納得のいく保険を選べるほうがベターでしょう。契約条件により、火災保険の申込みから補償開始までに2〜3週間かかる場合もあるので、できれば住宅ローンの事前審査の申込みをするタイミングで火災保険の情報収集を始め、余裕をもって契約に臨めるようにしましょう。金融機関等から提案された保険商品の資料のほか、インターネット経由で加入できる保険についても確認するなど複数の商品を比較検討してみましょう。

火災保険を決める際のポイント

契約者が選べない「保険料を決める要素例」

火災保険料は、建物の所在地と構造などの条件により一定の水準が決まります。災害リスク等を反映するため所在地により、そして住宅の壊れにくさを反映するため鉄筋コンクリート造や木造といった構造により保険料が異なります。
また、保険金額も火災保険料を決める要素です。保険金額は、住宅を再建できる金額の「再調達価額」で設定するのが基本です。たとえば、建物の建築費が3,000万円の新築の一戸建てを購入するときの火災保険の保険金額は3,000万円となります。
このように、建物の所在地と構造、保険金額といった条件次第で火災保険料はおおむね決まることになります。

契約者が選べる「保険料を決める要素例」

他方、以下は契約者が選択できる要素で、選択により保険料の負担は変わってきます。

火災保険は火災をはじめ、偶然な事故や自然災害が原因で生じた建物や家財の損害をカバーでき、どのような補償を受けられるかは保険商品や契約内容により異なります。

火災保険で補償できる災害や事故
偶然な事故 火災、破裂・爆発、水濡れ、物体の落下・衝突、騒じょう、盗難、破損・汚損
自然災害 落雷、風災、ひょう災、雪災、水災

商品タイプと補償の選択

商品タイプには、一定の補償を束ねて提供されるパッケージ型と、契約者自身で補償を選択するカスタマイズ型があります。パッケージ型は「A」「B」「C」といったあらかじめ決められた商品の中から選択するため簡便ですが、個々の補償選択ができず保険料は固定的です。他方、カスタマイズ型は自ら考えて補償を選択する必要がありますが、個々の補償の選択により、保険料を調整することも可能です。

いずれの商品タイプを選択する場合でも、留意すべきは所在地の災害リスクをカバーできる契約内容であるかです。住宅の取引時には、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を重要事項として説明することが宅建業者に義務付けられています。取引時に把握した水害リスク情報をもとに、商品や補償を選択しましょう。

地震や噴火、これらによる津波(以下「地震等」)を原因とする火災・損壊・埋没・流失による建物や家財の損害は、火災保険では補償対象外となります。地震等による損害の補償を受けるには、地震保険を加入する必要があります。地震保険金額は最大でも火災保険金額の50%までで、住宅の再調達価額には及びませんが、地震大国であるわが国において有力な自助の手段と位置付けられます。そのため、国も加入を後押しするように地震保険料控除の制度を設けています。地震保険を加入すると地震保険料控除を受けられ、年末調整や確定申告の手続きで税金が安くなります。

言うまでもなく、火災保険の補償の手厚さと保険料の高さは比例します。逆に、補償が薄ければ保険料は抑えられますが、生活基盤を失い、家計破綻を招きかねない事態をカバーするのが火災保険の主目的です。保険料の安さのみを優先するのは避けましょう。まずは災害リスクの補償を優先的に検討したうえで、他の補償や特約についても検討しましょう。

保険期間と保険料の支払方法の選択

火災保険の補償を厚くしたとしても、保険期間と保険料の支払方法で保険料を抑えることは可能です。
保険期間は1〜5年の間で選択でき、補償内容が同じ、かつ年1回保険料を支払うことは同じでも、保険期間5年とするほうが、保険期間1年で更新を続けるより5年間の総額の保険料は安くなる傾向があります。

※5年間保険料が変わらない前提

また、保険料の支払方法には、「月払」「年払」「一括払」があり、同じ保険期間であっても月払よりも年払、年払よりも一括払のほうが総額の保険料は安くなる傾向があります。

このように、長期の保険期間、かつ保険料を一括払にすれば、保険料を抑えることはできます。

家財も対象にした加入の選択

住宅ローン契約時に求められるのは、建物を対象にした火災保険です。建物内に収容する家財の損害に備えるには、家財も対象にして火災保険に加入する必要があります。

私たちの暮らしは家具や電化製品、衣服や各種雑貨など、さまざまな家財によって成立っています。事故や災害でこれらを一気に失うと、再取得に多くの費用が必要になるため、家財も火災保険の補償の対象にしておくことが望ましいでしょう。また、地震保険でも家財を補償の対象とすることができます。

住宅ローン完済後の補償切れには要注意

繰返しになりますが、火災保険は、火災をはじめ自然災害や偶然な事故で損害を被ったときに、再び生活を取戻せるようにするための備えです。
住宅ローン契約時に火災保険の加入を求められるのは、金融機関の債権保全のため。よって、住宅ローン完済後まで求められることはありません。しかしそれは、火災保険が不要になったという意味ではありません。災害等で生活基盤を失い、家計に深刻な影響が及ぶおそれは住宅を維持する限り続くからです。

かつて火災保険は、住宅ローン期間にあわせた30年超の契約も可能でした。こうした火災保険契約が住宅ローン完済と同時に満了し、その後未加入のケースも見かけます。しかし、未加入のまま老後を迎えた際の万一の被害で、火災保険金なしにその後の生活再建を図るのは多くの場合困難でしょう。生活基盤を喪失するような事態は回避しなくてはなりません。住宅を維持する限り、火災保険契約を続けることが基本であり、保険料の支払いも必要経費と心得ましょう。

※掲載内容は公開当時のものであり、現在と異なる場合があります。

執筆者情報 : 清水 香(しみず かおり)

1968年東京生まれ。CFP®認定者。FP1級技能士。社会福祉士。消費生活相談員資格。自由が丘産能短期大学兼任教員。中央大学在学中より生損保代理店業務に携わるかたわらファイナンシャルプランニング業務を開始。2001年、独立系FPとしてフリーランスに転身。2002年、(株)生活設計塾クルー取締役に就任、現在に至る。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか、執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、TV出演も多数。
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