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地震保険料控除とは?
地震保険で所得控除を受ける条件や控除額を解説

2006年度の税制改正により地震保険料控除という制度が創設され、地震保険は所得控除(所得税、住民税)の対象になりました。年末調整や確定申告をすることで、支払った地震保険部分の保険料に応じて、一定の金額の所得控除を受けられます。火災保険については、前述の税制改正により損害保険料控除が廃止され、基本的に所得控除の対象ではなくなりました。
ここでは、地震保険で所得控除を受けられる条件や控除額のほか、所得控除の申請方法について解説します。

地震保険は所得控除を受けられる

地震保険料控除とは、支払った地震保険部分の保険料に応じて、一定の金額の所得控除を受けられる制度です。地震保険料控除について、以下の内容を解説します。

地震保険料控除を受けられる条件

地震保険料控除の対象となる契約は、保険契約者ご自身や保険契約者と生計を共にする配偶者とその他の親族が所有する建物、またはこれらの方が所有する家財を保険の対象とする地震保険契約です。

このうち注意すべき点は、建物の用途です。
地震保険料控除の対象の建物は、居住用の建物となります。住居として常時使用していない別荘や空き家は、対象外です。住居の一部を店舗や事務所として利用している店舗併用住宅については、居住用資産に係るものだけが控除の対象になります。ただし、店舗併用住宅等であっても、住居に使用している面積が全体の90%以上の場合は、地震保険料の全額を地震保険料控除の対象にすることができます。

地震保険料控除の金額は?

地震保険料控除の金額を、所得税(国税)と住民税(地方税)に分けて解説します。

【所得税】
所得税の控除額は、50,000円が1つの基準となり決まります。
  • その年に支払った地震保険料の金額が50,000円以下の場合:支払った保険料の全額
  • その年に支払った地震保険料の金額が50,000円を超えている場合:一律50,000円
【住民税】
住民税の控除額は、以下の通り所得税とは控除の金額が異なります。
  • その年に支払った地震保険料の金額が50,000円以下の場合:支払った保険料の1/2
  • その年に支払った地震保険料の金額が50,000円を超えている場合:一律25,000円

地震保険料控除は、所得税と住民税の両方に適用されます。

なお、2006年度の税制改正による損害保険料控除の廃止の経過措置として、下記の要件をすべて満たしている「一定の長期損害保険等に係る損害保険料」(旧長期損害保険料)については、地震保険料控除の対象とすることができます。
旧長期損害保険料を地震保険料控除において申請する場合や、地震保険料と旧長期損害保険料の両方がある場合は、控除額の計算方法が異なりますのでご注意ください。

経過措置の対象となる旧長期損害保険料の条件
  • 2006年12月31日までに契約を締結していること
    (保険期間または共済期間の始期日が2007年1月1日以以降のものは除く)
  • 満期返戻金などがあり、保険期間または共済期間が10年以上の契約であること
  • 2007年1月1日以降にその損害保険契約等の変更をしていないもの
地震保険料控除額:所得税
区分 年間支払保険料 控除額
@地震保険料 50,000円以下 年間支払保険料の全額
50,000円超 一律50,000円
A旧長期損害保険料 10,000円以下 年間支払保険料の全額
10,000円超〜20,000円以下 年間支払保険料×1/2+5,000円
20,000円超 一律15,000円
@Aの両方がある場合 @+Aの控除額の合計額が
50,000円以下
@+Aの合計額
@+Aの控除額の合計額が
50,000円超
一律50,000円
地震保険料控除額:住民税
区分 年間支払保険料 控除額
@地震保険料 50,000円以下 年間支払保険料×1/2
50,000円超 一律25,000円
A旧長期損害保険料 5,000円以下 年間支払保険料の全額
5,000円超〜15,000円以下 年間支払保険料×1/2+2,500円
15,000円超 一律10,000円
@Aの両方がある場合 @+Aの控除額の合計額が
25,000円以下
@+Aの合計額
@+Aの控除額の合計額が
25,000円超
一律25,000円

地震保険の仕組みなどについて、詳しくは下記の記事をご確認ください。地震保険料はどのように決まる?

地震保険料控除の申請方法

地震保険料控除を受けるには、年末調整や確定申告をする必要があります。
年末調整とは、その年最後の給与の支払いを受ける際に、その年に源泉徴収をされた所得税の合計額と本来納付すべき年間の所得税額とを比較し、過不足金額を調整する手続きのことをいいます。一般的に会社員の場合は、勤務先で年末調整の手続きを行います。
自営業やフリーランスなどの場合は、年末調整ではなく確定申告にて、1年間の全ての所得金額とそれに対して納税すべき税額を計算し手続きを行うことが一般的に多いです。

地震保険料控除を受けるには、「地震保険料控除証明書」が必要です。保険会社によって異なりますが、地震保険料控除証明書は毎年10月以降に届くことが多いです。なお、地震保険を契約した初年度については、保険証券に同封されている場合があります。

地震保険料控除証明書(ソニー損保)

年末調整や確定申告で地震保険料控除を受ける場合

会社員の場合は、勤務先で年末調整の手続きを行い、自身は書類を提出するだけということも多いです。地震保険料控除を受けるためには、「地震保険料控除証明書」を勤務先に提出する必要があります。

確定申告で地震保険料控除を受ける場合は、確定申告書に地震保険料控除に関する事項を記載するほか、支払金額や控除を受けられることを証明する書類等を確定申告書に添付、または申告の際に提示します。

年末調整の仕組みなどについて、詳しくは下記の記事をご確認ください。火災保険や地震保険は所得控除を受けられる?

地震保険料控除に関するQ&A

Q&A

最後に、地震保険料控除についてよくある質問をご紹介します。

複数年分の地震保険料を一括で支払った場合、地震保険料控除は支払が発生した年にまとめて申告が必要?

いいえ、1年分に換算した金額が毎年の所得控除の対象となる保険料となるため、まとめて申告する必要はありません。

「一括払保険料÷保険期間(年)」の計算式で1年分に換算した額を算出できます。
例えば、地震保険の保険期間5年、一括払保険料が10万円の場合の控除対象保険料は「10万円÷5年=2万円」となります。
夫婦で共有名義にしている建物の場合、地震保険の所得控除は2名とも受けられる?

1名しか受けることはできません。

所有している建物が夫婦の共有名義になっていたとしても、保険料を支払う契約者はどちらか1名になります。地震保険料控除を受けられるのは、建物の名義人ではなく、地震保険の契約者になります。
賃貸マンションのオーナーで、そのマンションに自身が居住していない場合でも、地震保険に加入していれば地震保険料控除の対象になる?

契約者や契約者と生計を共にする配偶者とその他の親族が所有する家屋であっても、住居として常時使用していない場合、または生活に通常必要な家具、じゅう器、衣服などの生活用動産を保険や共済の対象にしていない場合には、地震保険料控除の対象外です。

地震保険に加入した場合は、地震保険料控除を受ける手続きをお忘れなく

火災保険と地震保険をセットで加入すると、地震による損害に備えられます。その分保険料はかかりますが、地震保険には所得控除が受けられる制度があります。地震保険料控除を受けるには、年末調整や確定申告を行う必要がありますので、手続きを忘れないようにしましょう。

地震保険の加入をご検討の際は、ソニー損保の新ネット火災保険とあわせてぜひご検討ください。